1992年に宝塚で上演した「忠臣蔵」 それの朗読劇

当時と同じく杜けあきさんが大石内蔵助を演じるということで、懐かしさのあまりチケット取って行ってきた!!

なんと!前から3列目のセンター寄りというすっごい席で、発券してビビりましたぞ

宝塚ファン時代もこんないい席でヅカ舞台を見たことないんだけど…やべぇ…本気でヤベェよこの席、って思った

 

そんな、自分の思い出語り交えた備忘録

 

1992年から33年ぶりの上演だそうだ

いやもうね… 33年前、建替え前の旧宝塚劇場の3階席で泣きながら見てた自分を思い出した。エレベーターがなかった旧劇場、3階に行くのにえっちらおっちら階段を昇っていったよね。

この当時3階席=D席は1100円だった。

この頃はもう複数回観劇してたけど、さすがにカリンチョさん退団公演だったからそうたくさんはチケット取れなかった、かもな(覚えてないけど)

そんないろんな思い出もぶわっと押し寄せてきて33年という年月に気が遠くなりそうだったわ…

私の上にも33年。出演者の皆様にも33年。同じ月日が流れているんですよね。33年分みんな生きてきたんだなぁ

 

まずとにかく33年にひきづられてしまうわけだが、朗読劇という生舞台自体は結構何度か体験してたんだけど、今回はいままで見てきた朗読劇と全く違った!!

今まで見た朗読劇は、出演者の立ち位置が決まってて位置は変わらなかった。出演者は上演中は出番がなくてもずっと舞台にいた。せいぜい休憩挟んだら左右が変更になる程度で(一部では右ポジションだった出演者が左に、とか)

今回は全然違う。立ち位置、というんじゃなく出演者は入れ代わり立ち代わり舞台に出てきて、いろんな場所で朗読する。出番がなければはける。

演者としてはすごく大変だったと思う。どこではけて、次の出番の時はどの立ち位置でどの役でとか、まずそれを覚えなくちゃいけないから

これもう芝居じゃないか!

そしてもちろん歌もある。

バックスクリーンでは、当時の宝塚の舞台写真が映ったり、錦絵?浮世絵?な忠臣蔵のシーンが映ったり。

当時の宝塚舞台の写真がスクリーンに映った時は、それだけでちょっと目頭熱くなっちゃう

 

大石内蔵助のカリンチョさん曰く「朗読歌劇」 

ああああー確かにそうだ!! ただの朗読じゃないよコレ。宝塚の作品ならではな朗読だよ

 

その「歌劇」の歌パートね。

全部当時のナンバーで、細かい歌詞は覚えていないけど「ああこんな歌あった」ってどれを聞いても泣きそうに懐かしいのよ

浅野内匠頭の辞世の句を音楽に乗せて詠うアノ曲はもちろんある

主題曲は当然←もう泣くよねコレ

殿ご切腹の後、赤穂の武士の「今後の状況」が刻々と変化するんだけど、それをコーラスで説明していくあの一連のシーンも、今聞いても本当に上手いと思う。今回もちゃんとそのシーンは生きていた

 

が、浪士が脱落していくさまを歌ったナンバー ♪また彼小山田庄左エ門 で始まる?やつはなくてちょっと残念だった(笑) 

当時なにかで 「また彼」を「馬鹿たれ小山田庄左エ門」と聞き間違えたんだか空耳したんだかって言うのを聞いて、33年それが頭に残ってるんですよ。今回一瞬「来る?!」って心躍ったんだけどなかったかぁ(笑)

 

 

今回柴田先生の脚本を朗読用に編集して演出したのは荻田浩一先生。

オギーかぁぁぁぁ!!! そりゃあ間違いねぇや!! ってパンフレット見て真っ先に思っちゃった

あー荻田先生懐かしい。オギーの作品、独特な雰囲気があって音楽の使い方も魅力的で大好きだった。

あぁーもう懐かしいという言葉しか出て来やしないよ

 

舞台の時は、2番手以下のスターが四十七士の主だった役を演じてセリフや見せ場も多かったんだけど、今回はそういうわけにはいかないので、四十七士は絵図面をゲットする岡野金右衛門以外はひとくくり的な感じだった…気がする(明確に○○役とか設けられていない)その辺も上手く脚色してたなぁ

 

今回は11人の出演者でシーンを構成させるので、みんな何役も兼ねている

赤穂の評定のシーンでは娘役さんたちも武士役になって、椅子に足を開いて男のように座り声を低くしてセリフをいうのがかっこよかったわ(一言、とかだけど)

 

浅野内匠頭はたーたん(香寿たつきさん)だった。

浅野内匠頭役は序盤で切腹するからその後は四十七士のメンバー岡野金右衛門としてでてきたのが舞台版(その時は2番手の一路真輝さんが配役)今回のたーたんもそれを踏襲。浅野内匠頭の出番後は岡野さんで復活

岡野さんは商人に身をやつする人で、吉良邸の絵図面を入手するんだった。大工の棟りょうの娘さん役が今回は渚あきちゃんで、岡野さんとほんのりいい感じになって、岡野さんが実は赤穂浪士だってわかって絵図面を渡してくれるんだよね。棟りょうも赤穂のお侍さんを応援しているから。

 

渚あきちゃんとたーたんがコンビ(T_T)  もうそれだけで泣く!!!

渚あきちゃん、ほんと大好きだった。私のヅカ歴の中で本当に心から大好きな娘役さん数人の中の一人だからさ!! その渚あきちゃんがかつての相手役(熟年夫婦と一部で言われてた←個人的にはそこが大好物でした)たーたんとこんな風にまた、ってだけで「あぁもうっああああああもうぅぅぅぅ」ってなっちゃうよ

今回の朗読劇では渚あきちゃんを可能な限り見て、内心「渚あきちゃん好き好きビーム」を放ってました(笑)

 

カリンチョさんは、いまだに貫禄すごかったなぁ。

主題曲を歌う時、当時と歌声が変わってなくて(と、思う)内蔵助の貫禄も包容力もばっちりで、当時にタイムスリップしちゃうかと!!

私がヅカファンになった時はもう雪組のトップスターさんで、当時はそこまで大好き!!ってほどのトップスターさんではなかったんだけど、何もかも初めての初心者ファンだったからとにかくトップの貫禄に感心してたっけ。

今回はかつてのように武士の衣装を着てるわけではなく、かつらをつけているわけではなく、なんだけど、それでもあの大石内蔵助の風貌がよみがえってきたよ

 

また終演後のトークで出た笑顔が、当時のままでねぇ。

と言っても、当時は素のカリンチョさんの笑顔なんて歌劇やグラフの雑誌でしか見ることができなかったからその印象だけども

そのトークでは、この「朗読劇」っていう新たな表現?舞台?を今後もいろんな作品で出来たらいい、みたいなことを提案して、隣に立ってたたーたんとあきちゃんに「あんたたち」と呼びかけた時には、ヅカの先輩後輩の絆が見えてトキメキと共にやっぱり泣きそうになっちゃった

カリンチョさん曰く「あんた達がトップコンビで演じてた作品もこういう形で朗読劇化されたら、私たち(カリンチョさんとともちゃん)もお年寄り役で出させてもらえる」ってことでした

 

かつてのトップコンビとその周りが集まってかつての作品を朗読劇にしてくれたら、私も今後はいろいろ見たいと思うよ!

 

けど3日6公演こなしてもう限界!って言ってた

お客さんがカーテンコールで立とうとしたら「座って座って」って。お客さんも自分たち演者も長い年月経てきてるんだから、みたいなことを言っててここでちょっと「長い年月」を実感してしまった