※ネタバレ大いにあり 未プレイの方は要注意公式から取ってきた物語概要↓
2020年日本
東京湾を囲む「リングエリア」内の貧民地区に暮らす主人公・藤枝ネリ。
慎ましくも穏やかな日々を送っていたが
ある日突然、たったひとりの家族である父親が失踪してしまう。
「櫂宮学園へ行きなさい」-謎の手紙を残して。
私立櫂宮学園。
特権階級に属する両家の子女のみを集め。未来の日本を担うエリートの育成を目的として創設された、全寮制の名門校。
ネリは父の置き手紙に従い、セレブが集まる櫂宮学園に転入することになった。
しかしそこはとてつもなく豪奢だが、絶対的階級制度に基づく、「身分差別」に支配された学園だった。
階級制度の頂点で学生を統治し、あらゆる権力を有する「女王」
全てにおいて優位に立つ、選ばれたエリートたちが属する特権階級「咲き誇る薔薇」
最も多くの生徒が属する平民階級「名もなきミツバチ」
同じ生徒でありながら、使用人同然に虐げられ使役される奴隷階級「捨て置かれた石ころ」
そして、絶対的制度に抵抗する生徒で組織された反体制グループ「レジスタンス」
想像を絶する格差社会の中でネリが出会う「恋」
次第に浮かぶ上がる学園の「真実」とは?!
これ、「買ったはいいけど、内容的に精神的にしんどそう」と思って、なかなか手を付ける勇気がなかったです。
いざプレイしても、予想に違わず精神的にきつかった~~~。
学園に存在する階級制度の設定。
上記、公式の物語概要にあるように階級は絶対です。寮の部屋も制服も、公共の場における席も階級によって明確に分かれてるんですよ。
それはもうハッキリと! 地味に鬱々とします
趣味の「乙女ゲーム(恋愛ゲーム)」をやってるのに、なぜこんな嫌な思いをせにゃならんのだ…(苦笑)
そして。
薔薇・ミツバチ階級の石ころへのイジメが陰湿(-_-)。
ちょっとぶつかっただけで土下座しろとか普通の事
詳細な描写はなかったけど特に薔薇階級は「薔薇の自分たちは何をやってもいい」という意識だから、ほんとえげつない。
つーかこういうヤツラが上流階級子女でございとふんぞり返ってるような国、近いうちにシトワイヤンの蜂起で崩壊すっぞ!
いや、むしろ今滅びろ!!武器を持てシトワイヤン!!ジュードポームで誓いを!!バスチーユを攻撃するのだ!!って結構思ってました(笑)
それだけ酷いんだもん薔薇のヤツラ。
それはともかく。
教師はどんなにいじめがあっても見て見ないふりです。
全ては、この学園のルールだからしょうがない。
真相ルートで分かりますが、どうやら教師も「何があっても見て見ないふりをする。生徒に関わるな」という契約で雇われてるみたいですね。
努力次第では上の階級に行くことも可能だし、問題を起こせば転落も十分ある。
だからみんな上を目指して必死だし、石ころに落ちた人間には手のひらを返したように冷たい(石ころに落ちた人間と一緒にいれば、自分もそういう目で見られてしまう→上の階級に上がるチャンスが減る)
主人公・藤枝ネリは、学園入学時=物語序盤は「ミツバチ階級」に所属してます。
選択肢によって中盤「石ころ」「薔薇」のどちらかに所属が変わり、同時に個人ルートに。個人ルートのハッピーEDも「石ころハッピーED」「薔薇ハッピーED」と二つ。
全員分ハッピーをクリアすると、各人の真相ルートがオープンする仕組みです。
なのですが、石ころEDも薔薇EDも「すべての真相」がわからないままなので、EDを迎えたのに謎や疑問が解決せず、すっきりしない・もやもやするという状況も微妙に思えました。
さらに!薔薇EDはハッピーと言っても展開が病み系なので、嫌な気分が積み重なっていってシンドイったらない。
ネリはもともと下層階級よりの普通の子です。
考え方も行動もごく普通の庶民で、乙女ゲー主人公にはデフォの「自分より他人を心配する優しい子」だったのに、薔薇階級になった事で彼女の長所や普通の感覚が無くなっていく。
どんなに普通の子でも、いったん権力と贅沢を身に着けちゃうとすごい速さでそこに順応していくという人間の業?みたいなのが見えちゃうんですよね。
さらにそこに仄暗い恋愛感情が加わってどんどん歪んで病んでいく感じがすごく嫌だった…
あるキャラの薔薇ルートなんて、もう読むのが嫌で強制スキップでとりあえずEDリストだけ埋めちゃったほどです。
そんなプレイをするのは初めてかも…
また、薔薇・石ころ・真相各展開に2つバッドEDが用意されてます。これがまたものすごく嫌な幕切れでした。
バッドEDだから死亡含むいや~な展開で幕切れなのはしょうがないけども、他社他作品のバッドED以上にしんどかったですね。
EDリストを埋めるため(トロコンにもかかわってくる)にはバッドEDも拾い集めなければならないので、嫌な気分が加算される(苦笑)
キャラクター自身に対する真相もだけど、学園そのものもいろんな謎を秘めてます。
階級制度もそうだけど、学園のある場所等も「異常」だった。
「海の真ん中の孤島」の為、簡単に外部のものが入って来れないし、出ることもできない。外部からの物品持ち込みも厳しく制限されて、ネット等通信機器も禁止です。
外の情報が全く入って来ない状況での厳しい階級制度なんて、頭がおかしくなるのは当然でしょう。
それゆえか、頭痛をはじめすごく体調不良の生徒が多い。
あれ…?そういえばこの学園、良家の子女が集まる「お坊ちゃんお嬢ちゃんのエリート金持ち学校」なはず。
政治家とか財閥とか、とにかく下層階級は入れない特殊学校で、石ころイジメとかいいの?そもそもが石ころ生徒だって上流階級の子女じゃん。
プレイしてそういう疑問点が出てくるけど、真相を見るまで未解決です。
そういうもやっとする設定・後味すっきりしない各種EDを踏んでからの「真相ルート」は、解決してなかった問題含めてすべてがクリアになるので、そこに至って初めて加速度ついて面白くなりました。
それまでの鬱々とした気分はなんだったのかと思うほど(笑)
しかも「真相」はかなり驚くべきものだから「ああああそうだったのかぁぁぁ!!」っていう。カタルシスみたいな感じかな。
しんどかったからこそ余計に面白く思えるという効果もあるかもしれませんが。
そんなわけで。
この作品が好きか嫌いか…フルコンプしたけど明言はできません。
真相がなければ、鬱々気分が抜けず最後までしんどかった作品ってなるけど、真相プレイの面白かったことと言ったら!!
1つの作品の中でここまでプレイ感想に変化があるというのは、そうそうあるもんじゃないです。
そう思ってしまうということは、それだけしっかりしたシナリオだったという事。その点はおススメゲームではあるのですけどね。