前の続き
他人を騙し恩人を殺してまでのし上がりお金を求めたジャンヌですが、最初に書いたように、ターゲットは貴族のみ。
首飾りを詐欺により入手した後、証拠隠滅のためにニコルを殺害しようとしたけどできなかったんだよね…
最下層の娼婦一人死んだとしても、100%犯人捜査なんかされないよ。わが身の保身を思うならさっさと殺した方がいいのに、できない。
視聴者としては「病気の母親を見捨て、頼ってきた妹のロザリーをひどい仕打ちで追い払い、恩人をあっさり殺害して。それだけのことをしたのにニコル嬢は殺さないの?あのジャンヌが??」って思うんだけどね。
あのジャンヌだって、人のいいあの母とロザリーと暮らしてた位だから、人情のかけらはあるでしょう。
最下層で娼婦やってるニコル嬢は、一歩間違えればジャンヌだってそうならないと限らない姿だものね。
それに恩人を殺害してから数年たってる。
あれだけ濃い人生を送ってりゃ平凡な人よりも早く「年齢を経て訪れる人としての心境の変化」みないなのもあるでしょう。
と、いう風に解釈しました私は。
ジャンヌは序盤にブーレンビリエ侯爵夫人を殺害して以降、物語の表舞台から少し撤退し、出崎監督に替わってから再登場→首飾り事件終結まで突っ走るわけだけど。
出崎演出でジャンヌの描き方が絶妙に素晴らしくなっていくように思えます。
ビジュアルも、より美人になっていきますね。
なわけで、宝石商が「代金未払い」で王室に抗議をいれたことで、詐欺が発覚←ローアン大司教が保証人になって、王妃マリー・アントワネットが購入したことになってるから、宝石商は王室に支払いを求める
ばらした宝石を売りさばく為国外逃亡したニコラス以外の関係者は逮捕され裁判が始まるんだね。
ローアン大司教は騙されてただけだし、ニコルと王妃偽手紙の製作者はジャンヌから仕事を依頼されただけ。
結果から言うとジャンヌは両肩にV(泥棒の頭文字)の焼きゴテをいれた上終身刑になりますが。
そこに至るまでの裁判シーンが、これまたぞくぞくする面白さ。
最初は「ローアン大司教に頼まれた」とか言い逃れをしていたけど、次々と証拠を突きつけられ絶体絶命。
進退窮まるんだけど、それでも「負けたくない!!」ってあがくんですよね。
いや…もう負けてるんだよ、ゲームオーバーなんだよ。どうあっても逃げ道はないよジャンヌ。
それなのになんとか生き残ろうともがく…。
で、王妃がレズで、王妃が首飾りを手に入れるために私を利用したとか、法廷の場で即座に訴えかけるんだから…すごすぎる。
何としても生き残ろうとするバイタリティと肝の座った態度はかっこよすぎ!
もちろん法廷はそんなことを信じるわけないし、ジャンヌは刑に処されましたがね。
でも、それを法廷で聞いていた傍聴人の市民は違う。
この頃すでに王妃様は嫌われまくってたから、ジャンヌはむしろ英雄。すべては王妃が悪いんだ!っていう市民感情になってしまうのは当然の流れ。
のちのフランス革命がおきるきっかけの一つにもなってることを思うと「負けたくない」と思ったジャンヌは確実に「勝った」んじゃないだろうか…
そして法廷での大ウソな暴露以降、ジャンヌの描き方がまた微妙に変化したように思えます。
まず裁判終わった後、牢獄で「楽しかったな。こんな遊びを小さいころやりたかったな」とうつろな雰囲気でつぶやく←作画も絶妙に素晴らしい
貧乏な家を飛び出し、悪いことをし、大法廷でのある意味スリルに満ちた駆け引きをして。
全てが終わってみれば「楽しかった」って…どんな意味でいったのか心情は私にはわからない。
でもこの時点でジャンヌは自分の人生を終わったものとしてるのかな、という雰囲気です。
その後覆面の貴族(一説にはルイ16世の従弟オルレアン公とか。アニメでもオルレアン公の声優でした。市川治さん!プリンスシャーキンだわよっ)の手助けで脱獄し嘘八百な回顧録を出版。
ここにはこれでもか~ってくらい貴族(王室)を貶めることばかり書いてあり、庶民にバカ売れ。
ますます庶民はアントワネット様や貴族に対し憎悪を募らせる結果に。
もちろんジャンヌの元には大金が転がり込んできますよ←でも逃亡中で身を隠してるからどうしようもない
こっそり戻ってきてた夫のニコラスははしゃいじゃって金貨の山にウハウハなんだけどね←ほんと阿呆な子悪党
ジャンヌは見向きもせず飲んだくれてるだけ。
ジャンヌは、きっと回顧録を出版し終わったら用済みで殺されるんだろう(脱獄させてくれた貴族は今まで接してきた甘ちゃんで阿呆な貴族と違うのがわかるでしょう)、という予感はしてるんじゃないかな。
もう法廷で「負けたくない!」って大嘘でっち上げた時のバイタリティがないのよ。
やっぱり自分で「もう終わった人生」と思っているのかもれない。燃え尽きてしまったというかさ。
現在は追われる身になってるわけで。
回顧録を全巻出版した後、オスカル様率いる近衛に追いつめられることに…
オスカル様に発見されてから死ぬまでのシーンがこれまたすごくよかったんだなーー。
最終的には自害というか自爆というかだったんだけど。
オスカル様の些細な気遣いのおかげで「こんな自分でも最後まで思ってくれる人がいた(ロザリーの事)」という安らいだ気持ちになって、自分で幕引きしようと思ったのではないだろうか。
ただ全て覚悟を決めているジャンヌと違って、小物でチンピラ精神(言い過ぎ)なニコラスは違う。オスカルを殺して逃げようとするんだよー。
ジャンヌはオスカル様の首を絞めているニコラスを刺してダイナマイトのある場所まで引きずってくんですね。
「一人じゃさびしいから、一緒に死んでおくれよ」って。
あの気の強いジャンヌが「さびしいから一緒に死んで」とか…あ~いい演出してきたなぁ。
ジャンヌに刺されたニコラスは刺された瞬間こそびっくりしてたけど、結局はニコラスってジャンヌに惚れ込んでいたから。
最後に「いいぜ。お前は最高にいい女だったぜ」ってばよ。
それを聞いて心底嬉しそうに(「嬉しい」というセリフあり)ニコラスにキスして、爆発。でした。
ちょっと笑っちゃうんだけど、最期のニコラスの作画…イケメンだった~
顎割れ系(実際にどうかは覚えてない)のいかついあんちゃんなのに、最期だけはジャンヌを見る目る目が優しくて妙にキラキラっぽいイケメンになってる。
最期のご褒美ね。ニコラスよかったね~なほっこり気分になるようなならないような(笑)
出崎監督に変更して再登場したジャンヌは、視聴者にワクワクと貴族に対する嫌悪感(シトワイヤン目線)を強く訴えかけてくれました。
デュバリー夫人が大活躍して、ベルサイユを追放されるまでも面白かったけど、シトワイヤン目線を思うとやっぱりジャンヌ編?は秀逸だった…
ベルばらって、いろんな女性の物語です。
原作が少女漫画だから、っていうのは当然あるけれど、
女性が強く生きてる!(あらゆる意味で)という陰で、男性陣が影が薄いのがよっくわかって感心しちゃいますね。
男性ももちろん頑張ってるけど、女性側に引きずられてる感がしないでもないです。
特にジャンヌはベルばら女性陣の中で一番バイタリティと根性があって、誰よりも「生き残りたい」という願望が強い人だったのでは(雑草魂)?
(デュバリー夫人も、でしたけど)
だからジャンヌとかかわった男性陣…ローアン大司教・旦那のニコラスのだめんずぶりが際立ち、さらに女性側が良くも悪くもかっこよく見えちゃうのかも。
NHKのBS放送は今どこまで行ってるかわかりませんが、私のDVD視聴では今オスカル様に結婚騒動が持ち上がったり、衛兵隊で苦戦したりしております。
アランがね…ワイルドでカッコいいわけよ!
キャストの山田俊司さんがね…ワイルドなのだ!後にキートン山田としてとぼけた色合いを出してくるなんて思いもしないほど、カッコイイのだ!