眠りの底に感じる、生への鎖。
アグニを救おうとする手。
生きて欲しいと願う心。
たくさん人を殺し、たくさん人を死なせ、罪悪感もためらいもなく嘘をつけるようになってしまったアグニ。
燃えながら生きていうくうちに壊れてしまったなにか。
もういい。
もうこのまま逝かせてくれ。
しかし、またも…呪いの言葉。
「生きて」
この言葉で、何度でも蘇る。
死の淵に幾度立たされようと。
そして、アグニは覆われた。
何に?
それはわからないけれど…なにか、邪悪な気配がする。
自分の名前だけ忘れたというアグニ。
ユダ()を妹と言う。
ルナだと言う。
俺の妹は妹だ、と言う。
名前を忘れたアグニ。
名前以外はすべて覚えているアグニ。
どこからが嘘なのか。
すべてが嘘なのか。
リアンの名前を聞いたときの表情が怖い。
何を思って誰何したのだろう。
名前を聞く気があるならマスクのおっさん(死亡)やビッチちゃん(死亡)にも聞いて欲しかった。自己紹介し合わないから名前がわからず、未だにマスクのおっさんやビッチちゃんって勝手な仮名で呼ぶことになってる。
名無しの権兵衛と化したアグニ、呼び方を聞かれて
「兄さんと呼んでくれ」
アグニは死にかけて復活するたびにパワーアップしてるな(変態っぷりが)……あれか、サイヤ人か。
ドン引きリアンが内心「やっぱり助けなきゃよかった…再生の祝福者ってことじゃなく、こいつ、死んでたほうがよかったかも……」と思ったとしても、責められない。