群ようこの自伝的私小説。
著者が40歳のときのイロイロをエッセイのような小説のようなかんじで綴っている。
わたしはこの著者の凡人をちょっと突き放した視線で捉えた短編小説が好きで、無印親子物語
なんかの無印
シリーズはすべて読んだ。
大きな悪事もしないかわりにせせこましかったりぐうたらだったりする凡人たちを「しょうがないなぁ」ってほんのり認めてるような、独特の視点と描き方が好きだった。
Post DATE: 2007/11/09
価格:¥ 520
発売日:1998-04
人生とは??
発売日:1998-04
人生とは??
が、これは著者の人生が厳しい時期だったせいなのか・・・30代中旬の頃のエッセイでは感じなかったアクのようなものを感じた。
あいかわらず軽妙な語り口なのだけど、微妙にエグミがある。
望外の大金を掴んでしまったことや割り切れない年齢のせいかもしれない。
いろんなことを達観するほど老いてもいないし、迷う時間もないほど必死な若い時期も過ぎた。
健康に不安はあるけどそれほど無理が利かないわけでもなく、女を捨てるほどではないけど中年でもある。
もともと色恋沙汰に縁遠い(あんまり簡単に恋に落ちないし、異性への執着も強くない)著者だけど、完全に枯れてるわけじゃない。金銭欲も強くないけど完全にコダワリがないわけじゃない。
そうゆうのが澱のようにたまりにたまってきたのかもしれない。
なんというか・・・じつによくできたタイトル(人生勉強
)なのかもしれない。