なぜ米国はイスラエルの言いなりになるのか
今回の戦争は、イスラエルが米国を引きずり込んだ側面が強い。米国内のユダヤ人口は約600万人とされ、多くは高学歴・富裕層であり、中東和平を望むリベラル派が多数だという。したがって、米国内のユダヤ人が焚き付けているということではないようだ。かつてユダヤ教徒とキリスト教徒には対立もあったが、9.11以降、米国人口の約3割を占める保守派キリスト教福音派がイスラム教への敵意を強め、シオニズム支持へ傾いたという要素が強いという。
イランを強化したのは米国
米国はイラクでスンニ派のフセイン政権を打倒し、スンニ派勢力を排除した結果、追われた勢力の一部はイスラム国(IS)を形成した。ISを抑え込むため、米国はイランの力を必要とした。結局、米国は「敵の敵は味方」という単純な論理で失敗を繰り返してきたとも言える。その一方で、イラクではシーア派を通じたイランの影響力が強まり、いわゆる「シーア派の三日月」とされるレバノンのヒズボラ、ガザのハマス、イエメンのフーシ派などへの支援にもつながった。イスラエルは、イラン政権の弱体化・崩壊によってこの影響圏の排除を目指し、米国を引き込んだが、当の米国には一貫した戦略が見えない。
崩れる「独裁国家 vs 民主主義国家」という構図
ロシア・中国・イランを軸とするユーラシア連携は、近年その結びつきを強めているという。イランは上海協力機構に加盟し、中国・ロシアとそれぞれ協力協定を結んでいる。さらに、トルコやインドも中東地域で影響力を高めつつある。他方、イランへの道理なき攻撃を行った米国に対し、アラブ諸国が加盟するイスラム協力機構(OIC)は距離を置き始め、欧州やカナダの対応も、かつてのイラク戦争時とは大きく異なる。今やトランプを全面支持するのは、ハンガリー(先週の選挙で敗北して政策変更が見込まれる)、アルゼンチン、日本ぐらいとなった。かつて言われた「独裁国家」対「民主主義国家」といった単純な対立構図は、急速に説得力を失っている。
日本は再び同じ過ちを犯すのか
日本は湾岸戦争で約130億ドルを米国主導の多国籍軍に拠出したが、その使途は未だに不透明なままであるという。日本の税金が2兆円も使途不明になっているというのに誰も怒らず責任も取らないで、また同じことを繰り返そうとしている。さらに、米国に従ってイラクへ自衛隊を派遣したが、イラク戦争そのものが誤った戦争だったという総括は十分になされていない。責任を取った政治家も見当たらない。
イランとの戦争が、国連の正当な手続きを欠いた道理なき戦争であるため、日本が再び無批判に追随することは避けるべきだろう。今、国会前のデモが注目されている。高市首相がトランプ支持を鮮明にしている中で、国民は政府と違うということを世界に向けて発信する意義は大きい。