アトランティスのこころ

著者: スティーヴン キング, Stephen King, 白石 朗
タイトル: アトランティスのこころ〈上〉
ボビー・ガーフィールドは11歳。父親を早くに亡くし、母親と2人で暮らす彼には今、どうしても欲しいものがありました。それは近くのサイクルショップに売っているシュウィンの自転車。しかし、1ドル以上の出費を懇願すると、決まって拒否反応を示す母親の前では望むべくもありません。そんな折、ボビーの住んでいるアパートに一人の老人が引っ越してきます。どことなく不思議な雰囲気を醸し出す老人とすぐさま親しくなったボビーは、その老人からある提案を持ちかけられます。それは、黄色いコートを着た下衆男たち<ロウ・メン>を見つけたら、すぐに自分に知らせること。その見返りとして週に1ドルの報酬を君に上げようという老人の提案に、否やのあるはずもないボビーは嬉々として契約を結びます。この時から、ボビーにとって決して忘れることのない夏が、静かに幕を上げるのでした。
生きることに何の疑問も抱かず、純粋無垢に駆け過ぎた少年の頃。そんな時代を共に歩いた友人たちとの触れ合い、そして一人の老人との出会いと別れを通して、少年から大人へと変わりゆく姿が切々と描かれています。思い出すたびに心温まるような、そんな少年時代を想起させてくれる作品です。