天使と悪魔 | RIDDLE CRITIC

天使と悪魔







著者: ダン ブラウン, 越前 敏弥
タイトル: 天使と悪魔(上)

図像象徴学者、ロバート・ラングドンの初登場作品。
ダヴィンチ・コードと同じく、作品中に出てくる美術品、墓所、地下道、建築物に関する記述は全て事実に基づいています。イルミナティ反物質についても例外ではありません。どちらも作品中で説明がなされていますが、特に反物質について知識を得れば、「天使と悪魔」に興味を持ってもらえると思うので少し解説します。

反物質
反物質は、通常とは逆の電荷を帯びた粒子からなるという点を除けば、正物質(地球上で実際に目にしている物質)と何ら変わりない。反物質は、正物質と接触することによって対消滅を起こし、膨大なエネルギーを発生させる。そのエネルギー効率は100%(核分裂のエネルギー効率は1.5%に過ぎない)公害も放射能も生み出さず、ほんの微量でニューヨーク市全体にまる一日分の動力を供給できる。
しかし、非常に不安定なため扱いが難しい。どんな正物質とでも、空気とでさえ接触すれば発火する。反物質1グラムが有するエネルギーは、20キロトンの核爆弾に相当する。これは広島に投下された核爆弾とほぼ等しい。


物語は、そんな危険極まりない反物質の生成に成功した研究所欧州原子核研究機構 (通称CERN)で起きた不可解な殺人事件で幕を開けます。殺害されたのは、反物質を研究していた科学者。左目がくり抜かれた陰惨な死体には、胸にある焼印が押されていました。それは、イルミナティの紋章。焼印の意味を探るラングドンでしたが、そんな中反物質が盗まれているという驚愕の事実が判明します。周囲5キロ四方を消滅させられるだけの反物質はどこへ持ち去られたのか?狼狽する所員でしたが、そこへ重要な一報が入ります。それは反物質らしき物の目撃情報。知らせてきたのは、イタリアはローマにあるヴァチカン市国の衛兵隊でした。ラングドンと被害者の娘ヴィットリアは、すぐさまヴァチカン市国へ急行します。折りしもヴァチカンでは、新たな教皇を互選する教皇選挙会が行われているのでした…

反物質はどこにあるのか、なぜ選挙会が狙われたのか、そしてイルミナティの存在とは?幾重にも張り巡らされた数々の謎。迫り来るタイムリミットの緊迫感、刻一刻と変化する物語の展開には、興奮を覚えずにはおれません。