夏草の賦 | RIDDLE CRITIC

夏草の賦

著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 夏草の賦 (上)

当時の日本では僻遠の地、鬼国とまで呼ばれていた四国の土佐(現在の高知県)。その土佐の一隅である岡豊で領主の息子として生まれたのが長曾我部元親です。幼少時は姫若子と呼ばれていた彼も、22歳の時に父が病没したため、長男として家を継ぎました。ちょうど織田信長が桶狭間の戦いで奇跡的な勝利を収めた時期です。元親は僻遠の地で成長しながらも、天下への望みがありました。手始めに土佐7郡を征服し、その勢いを持って四国一帯を併呑していった元親。領土の狭い小大名がなぜここまで成長できたのか?急進的な勃興をなしえたのには、元親が考案した一領具足という画期的な制度がありました。一領具足とは、農民に武士としての資格を与え、いざ合戦の時には戦闘員として農民たちを招集できるというものです。半農半士の身分でしたが、その扱いは雑兵や足軽ではなく、れっきとした将校でした。(余談ですが、後年の幕末における維新志士たちは、ほとんどこの一領具足の身分の子孫たちから輩出されています)ようやく四国を制覇した長曾我部元親。彼は長年の夢であった天下統一の実現に向けて行動を始めるのでした…

この本を読めば、戦国時代とは本当に様々な人間が現れては消えていった時代なのだと痛感させられます。また、一領具足の制度について知ることは、幕末の志士たちの行動を理解する上で役立つでしょう。幕末が好きという方には是非、功名が辻と合わせて読むことをお勧めします。
功名が辻http://riddle.ameblo.jp/entry-de23b6fe7d9cef6b4281a3e84990114a.html