翔ぶが如く | RIDDLE CRITIC

翔ぶが如く







著者: 司馬 遼太郎
タイトル: 翔ぶが如く〈1〉

維新を経て明治時代へと移行した日本。対外的圧力から国家の存亡を危惧した太政官政府は、列強の水準に追い付かんと必死に改革を推し進めてゆきます。しかし、急激な変化は同等の反発を生み出します。特に、廃藩置県によって武士としての身分的特権を剥奪された士族の反発は、国家の基盤を揺るがすほどのものでした。全十巻にもわたる本作は、そうした明治維新直後の混迷の時代を、維新の元勲である西郷隆盛・大久保利通を中心に克明かつ詳細に描ききっています。

歴史の授業ではたった数行の文に埋もれてしまいますが、「翔ぶが如く」を読めば、歴史とはまさに生きた人間たちの思案と葛藤と決断によって刻まれたものであることに気付かされるでしょう。分量がかなり多い上に多少内容が難しいので、読み始めるのに腰が引けるかもしれませんが、明治時代の成立を知る上でこれ程素晴らしい作品は無いと思います。是非、時間をかけて読んでみてください。