柚子プリンナーへの道 -2ページ目





1日何も食べていないせいか、乾いた音で鳴いてばかりの腹が五月蝿いので、やれやれ潤いを与えてやろうと今宵訪れるはやよい軒。


まず店に入ると、自分の身長の顎先程の背丈のある食券機がズンと構えている。


食券機「いらっしゃいませ」

俺「どれにしようか」

食券機「いらっしゃいませ」


うるせえ


「味噌カツ定食にするか」


そこで財布に入っていた5千円札を惜しみもなく差し出す。


ちゃりん、ちゃりんと小銭がお釣りで出てくるので取り出して財布に閉まっていると


「お札をお取りくださいお札をお取りくださいお札をお取りくださいお札を」


あのな、分かってんだよ。俺はさっき5千円入れたから2百円程の小銭に加えて千円札が4枚くるこた分かってんだよ。


「お札をお取りくださいお札を」


ガシュッッッ


つい物凄い勢いでお札を抜き取ってしまった。食券機が意外と大きな声で何度も言うもんだから周りの客が

「食券機に札忘れてるやついんじゃね?(笑)」

みたいな顔してこっち見てんだもん。



とりあえず一息ついたので空いている席を探す。

ここでポイントとなってくるのが、やよい軒はご飯がお代わりし放題という事。

白米大好きな奴にはうってつけパラダイスなのだ。

というわけで俺もそのパラダイサーなので、決めるべくはお代わりが出来る炊飯器が置いてあるすぐ近くの席。


見渡すと、炊飯器すぐ隣の席が空いていた。

俺はそこをエデンオブパラダイスと心の中で名付け席に着いた。




店員「食券あす」




は?



席の前で座る前に荷物を置こうとモタモタしてたら、声の小さい店員が俺の味噌カツ食券を卓から引っぺがして持って行った。

普通客が座ってから水置いてそこから食券だろうよ。

まあ忙しそうなのでギリギリ許してやるがあのやる気のない

「あす」

だけは絶対に許さないと決めつつも一応返事をした。


俺「あ、おなす」



そんなこんなで定食が来るのを待つこと10分近く。



店員「おまたしあすた」



お前さあ


いいよもう味噌カツじゅーじゅー言ってて美味そうだから許してやる。早く去れ。

ここからは俺だけの時間だ。


ようやくありつける味噌カツ定食。

漂わせる味噌の優しい香りと、濃厚な味を想像させる黒茶色、そこに散らされた万能ネギの色合いに加え、鉄板の熱にカツが焼ける音が俺の食欲を極限に高めていた。




だがここで間違えて行けないのは、定食を食べる時の配分なのだ。

まず、厨房から運ばれてきた時の椀に収まっている白米の量は個人的には並以下なのである。

そして俺は大盛りの白米と味噌カツを一緒に※舞踏る(たべる)ことを決めている。

(※白米とおかずが配分を合わせ綺麗に一緒に食べられる様は、さながら社交ダンスをしている男女の姿に似ていることから)

そのため、最初の一杯は主菜に手をつけず空にするのが俺流なのだ。




〜レッツダンシング〜


まず俺は、主菜以外のおかず(そなえつけの冷奴や味噌かつ脇に配置されたポテト等)のみで並以下のご飯を最速で一杯空にした。



ウォーミングアップを済ませた俺は徐々に体温を上げて行く。

この辺の準備運動の手際の良さは、中学までやっていた陸上競技での名残だろう。


そしてヒートアップした胃袋はもう待ちきれんと脳に命令を与え、身体を炊飯器の前へと運んだ。


前に佇むは業務用炊飯器だ。

居酒屋の厨房でバイトしていた時に毎日こいつを使ってきたもんだ、と少し懐かしさも感じつつほくほくの白米を拝む楽しみを

噛み締めていざ、その重たい蓋を掴み上げた。


ピタッ


脇に置いてあったしゃもじを掴もうとする

腕の動きが止まった。



それもその筈。

炊飯器の中にある米は、目測


最  初  の  一  杯  目



変  わ  ら  ぬ  量



残  さ  れ  た  哀  れ  な  白  米  達


しか居なかった。


俺「店員さん」


自分でもわかる。消え入りそうな声だ


店員「はぇい?」


俺「炊飯器、米、いいですか」


店員「おこめす」



この店員、この日フロア担当だったこの店員が今宵俺のやよい軒の楽しみを少しずつ、少しずつ崩壊させているんだ。そうに違いない。


いいか店員さん、やよい軒は遊びじゃねえんだ。

そりゃ24時間営業だし夜中とか変な客層だったりもしてビシッと仕事する気持ちが削がれるのも分かる。

でも遊びじゃねえんだ。

俺の気持ちを分かって欲しかった。

まだ一口も手をつけていない味噌カツと、心なしかキラキラと光る一杯の空の椀を見て気づいて欲しかった。

俺が心底、この味噌カツを楽しみに食べようとしていたという事を。



そして裏で炊いてあったであろう米が1分ほどで到達し、少し落ち込んだ気持ちも山盛りになった白米を見たら晴れたのでダンスを楽しみ俺はやよい軒を後にした。



味噌カツ定食、普通でした。


りこ。
と聞くだけでどんだけ暴れまわりたくなったり人を嫌いになりそうになっても絶対に落ち着くことができる不思議な言葉。


久々にりこの日記でもつけます。
やっぱりりこの1日を纏めるのが一番楽ですね。

朝、腹を空かして起きてきたりこは俺の部屋に進入して起こしにやってきます。
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のそ…

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「おい、まだ起きねーのかい」



やれやれと眠い目をこすってご飯をくれてやります。
ご飯を待っている時のりこはとりあえず世界一かわいいです

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おいまだか
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まだなのか
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まだくれないなら、外を飛んでいる美味しそうな小鳥でも眺めて落ち着こう


やっとご飯にありつけたりこは
誰にありがとうと言うでもなくただひたすら眠りに入ります。
起こそうとすると逃げます。

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ぐぅ
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人の机の上でねるんじゃない
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日向ぼっこ、一番気持ちが良さそう



朝の睡眠が終わると運動タイムがやってきて、昼頃には
「痩せなきゃ」
という意思が出てきて家中を走り回っています。
運動タイムのりこはとてもよくおもちゃで遊びます。

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ひも、美味いのか?それ
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俺の手、いてぇ
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ダンボールに飛び込んだ後の賢者タイム。
つうかデブ過ぎて入りきれない



運動タイムからの賢者タイムでまた眠りにつくりこ。
夜になるとまた腹を空かせて起きてきます。夜の腹ペコりこは凶暴です。

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ねえ、飯(うんこ中の俺を覗いてくる)
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はやくくれないとコイツ(ダンボー)を噛みちぎるぞ
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人の肉って、、、美味いのかな。


怖いのですぐにご飯をあげます。
すると朝まで眠ろうとします。
時々晩ご飯後はご機嫌で、遊んでくれたりします。

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俺の手、美味いのか?




写真貼りすぎてこれ以上貼れないので終われます。
りこ好きすぎて気持ち悪いですけど許してください。



あ、こいつバカだなって思った時のエピソード。

・連立方程式が出来ないバカ
中学生のときのはなし。
当時付き合ってた子(バカ)が数学で高得点を取りたい(俺のように)と言っていたので、いつもならハッテン場になっているその子の家(バカ′sホーム)で1日中我慢して連立方程式を教えることに。
90点、100点さえ取れずとも、60点は必ず超える。
というところまで教えられた。
あいつ(バカ)にしちゃあ上出来だった。
俺は友達にもよく数学を教えていたし、みんな結果を出してたから当然このバカもそりゃあ食べ頃のバカに成長出来ると信じていたんだ。

-結果当日-

バカ「ごめんネ。。。18点だったょ。。。しょぉたろぅに会ぃたぃ。。。グスン」

俺「わかったよいまいく(殺しに)」

メロスは激怒した。必ず、かの無知忘却のバカを除かなければならぬと決意した。
バカに対しては、人一倍に敏感であった。

ああ何故だ神よ。
色々我慢してひたすら連立方程式を教え…それなりに達成感あったし、支え合う大切さ的なものを得かけていたのにこんな惨い仕打ちを与えるのか神よ。

俺は激怒してめっちゃ走ってバカに会いに行って頭ごなしに怒鳴り続けてやろうかと思ったけどチューしておっぱい揉んでセックスしたから忘れた。


・大辞典をPSP入れにするバカ

自分が通っていた高校はゲームの持ち込み禁止だったのだが、当然のようにみんな持ってきてはいつ持ち物検査が来ても如何に先生にバレないようにと隠し場所を決めていたものだ。

校外学習で俺たちはとんでもない光景を目の当たりにしたんだ…。


校外学習。それは年に2度ある。
小さな部屋で4人ずつ泊まりがけでひたすら学校から出される問題集を寝るまで解き続けるというイベント。
実際は、如何に問題集を早く終わらせてPSPで通信対戦を長く遊ぶかというイベント。
ちなみにうちのクラスではモンハンは全くはやらず、みんなメタルギアops+をやっていた。

規定の時間(20:00)まで問題集を解きつつメタルギアをやり続けた後、先生達のすべての部屋での持ち物検査の後就寝タイムとなる。

つまり、ここの持ち物検査を越えればメタルギアパラダイス。

-持ち物検査開始-
A「みんな、PSPどこに隠した?俺はシンプルに筆箱の中!くぅ~ゾクゾクするぜ!」

B「あめぇーーよ!A!俺は椅子の裏にガムテープで貼り付けたぜ!」

俺「枕の下!考えるのめんどくさい!シンプルイズベスト!」

B「なんとかなりそうだな、Cは!?」

C「大辞典くり抜いてPSP入れにしてきた」

俺AB「は?」

C「くり抜いてきた。数ページずつめくってみな」ガパッ

カバーから外された大辞典を渡された俺たちは、Cの言葉の真意を確かめるべく慎重にページをめくっていく………

B「ホワァアアアアッ!?」

想像を絶する光景だった。
あるページを境に、何百ページ分にもなるだろう長方形の穴が開いていたのだ。
そしてそこにハマっているPSP。

C「大辞典強敵だった…カッターの刃が折れた数を俺は覚えてはいない…」

こいつは天才だ。バカの天才だ。俺たちは勝利を確信してバカみたいに笑った。
同時にこんな最高な仲間とメタルギアできることを俺たちは誇りに思ったんだ。しょうもない誇り。

ちなみにCはバカの天才過ぎたけどゲームはクソザコでした。ちゃんちゃん。