いつも通る桜並木の梢が、今年に入ってからモワっとかすんで見えます。無数の花芽がほんの少し膨らんできているので、それだけで見慣れた風景も違って見えるのです。桜は一番寒い時期にしっかりと花芽を育てているのですね。

 ずっと以前、初詣のおみくじで「大凶」を引いてしまったことがあります。いつもは「大吉」や「中吉」ばかりだったので、神社さんのお正月サービスで「凶」は抜いてあるのだとばかり思っていましたから「大凶」は衝撃的でした。枝に結びつけたりせず持ち帰り、壁に貼って一年間謙虚に過ごしたことを覚えています。「雪の下に埋もれていても、雪が解けたら芽を出そうとしている草がある。いつか来る春を信じて待とう」みたいなことが書かれていました。

 元日早々に能登を襲った大地震。「大凶」で始まった2024年。春を信じて待とう、なんて悠長なことを言っている場合ではありません。一刻も早い支援を!そして私たちも阪神大震災を忘れず、次の震災に対しての備えをしっかりしなければなりません。