その当時、夫は朝刊をとっていた。


朝方、眠りについたが、夫は仕事があるので、お弁当を作る為に、仮眠程度の睡眠で、6:30には起きた。


夫は、朝ごはんを食べながら朝刊を読んでいた。お弁当を作り終えて、夫に「はい。お弁当!」と渡した。


「朝方さぁ、なんかうちの前の道路でガシャーンみたいな音したんだよね。その後、20分経つか経たないかくらいで寝ちゃったから、何だったか分からないけど」という話しをした。


夫は、「へぇ…そうなんだ」と気のない感じで会社に出かけた。


その翌日の朝刊…事故の記事が載っていた。(おそらく、当日の朝刊に間に合わなかったのだと思われる)


家の前の道路。ひき逃げ。50代、自転車でパート帰りの女性死亡。通行人が発見し、救急車を呼んだ。そんな内容だった。

朝刊に載っている事故の時間帯も一致している。場所も一致している。血の気が引いた。そして悔やんだ。


あの時、私がすぐに外に出ていたら、すぐに救急車を呼んでいたら…もしかしたらこの女性は助かったかもしれない。


しばらくして、その現場の道路脇に花束が供えられていた。女性の家族だろうか。


どうしてすぐに動かなかったのだろうか。


もしかしたら、助けられたかもしれない命。


後日、ひき逃げ犯は捕まった。

40代の男性だった。

「何かにぶつかったなと思ったが、人だと思わなかった。」あんなに大きな音がしたら、「何か」にぶつかったと思ったなら、自分の車が傷ついたり、破損したりしたのではないかと止まって見るのではないか?

それでも走り続けたという事は、逃げたんだよね?


あの時助けていたら、すぐに動いていたら…20年も経つが今も後悔する。