どんな手でも使おうと思った。

大切なものを守るためならば。


私にとって大切なものは
ただひとつだった。



そのためなら、嘘なんて
演技なんて
ありもしないでっち上げも


平気だった。



友達にも
親にも
主治医も
カウンセラーも




私の10年計画に巻き込んだ。

私の人生なんてどうでもよかった。

無いに等しい。

心の底から笑うことも
いい気分で寝ることも
綺麗な未来を描くことも
そんなことが、できないならば



私の渾身の力で、彼を送り出す。


それしか考えられなかった。







申し訳ない気持ちはあったけれど

そんな簡単で優しい世界には私はいれなかった。





今でも思い出す。


かけてくれた言葉も
お祝いしてくれたことも
プレゼントも
ご両親からの愛も
お義父さんと義理の弟が作ってくれた、かまくらも
お義母さんの優しさも
みんなでした流しそうめん
バーベキュー
下らないことで笑ったり
喧嘩したり
一緒にご飯作ったり
一緒にランニングしたり



たくさん思い出をもらったから



その沢山の愛を
無駄にせず


思いっきり背中を押す。



嫌われてもいい。
憎まれてもいい。
誤解されてもいい。



もしそうならば、私のしたことは成功なんだと思える。


彼が新しい奥さんと
新しい家族を築いて

私のことなんて忘れられる人生を歩んでいるならば。




でも
まだその事実を知るときっとわたしは
少し凹んで
泣くかもしれない。




まだ、わたしの心には時間が必要。







会いたい人はいますか?









私は即答すると思う。