最愛の人は本当に素敵な人でした。


何においても抜かりなく
意思があり
正義感も人望も
優しさもお茶目な子供らしさも
男らしさも
頭が良くて
本当に本当に素敵な人で

私には勿体ない、理想の人。




そんな人と一緒にいれたことは
私の人生において
一生の誇りで、宝物。




結納は椿山荘で
結婚式は夢見ていた式場で
新婚旅行はバリ島に行って

本当に本当に素敵な日々でした。


バタバタとした日々が落ち着いて

夏の日差しが和らいだ頃



私の目の前に現れたのは
あいつでした。


逮捕されたはずの、あの人でした。


偶然なのか、つけられたのか
わからないけれど

駅のホームで後ろから突然声をかけられた。



二度と聞きたくなかったあの声。



人はきっと恐怖心が湧き上がると
動きも思考も停止して

何もできなくなる。
声さえもあげられなくなる。


その日から私の地獄の日々は続きました。

理不尽に呼び出される日々。

時間や曜日は関係ない。

場所も関係ない。








旦那さんに相談なんてできなかった。

彼がどれだけ苦しむんだろう。
どれだけ悲しむんだろう。


何よりも、汚れた自分を知られるのが嫌でした。






もうギリギリを生きていました。


精神的に追い詰められて、旦那さんに対しても余裕がなくなっていたし

裸を見られるのも、触れられるのも
汚い自分で彼を汚すことが嫌で

罪悪感でいっぱいで



誰にも相談できずにいました。




何度死のうと思ったことか、、、

でも死を選ばなかったのは


○○君のお嫁さん亡くなったんだって

って言われることを考えると

○○さん家の長男のお嫁さん亡くなったんだってって
ご両親やご親戚が言われると思うと


地域でも大きな本家の長男だったので

昔ながらのしきたりや
習慣が根強い家でした。



そんな家に泥を塗るなんて



それが私が唯一
死を選ばないで済んだ、支えだったのだと思います。






心の余裕だなんてそんなもの
私にはなく


そんな姿を見ていた旦那さんは

漠然とした異様な雰囲気を感じて苦しめられていた思います。



私がもっと強ければよかった、、、


もっと優しくできるぐらい
心が強ければよかった。