月を見ていた。
これは幼い日の私だ。月を見るとほっとした。理由はよくわからないが、また明日がやって来るのだと思った。
隣りにその人はいた。
誰なのかは覚えていない。
その人は私の頭を撫でた。そしてこういうのだった。
「月見ちゃん、悲しい時にはここで月を見たことを思い出してね。月見ちゃんは月のように優しい輝きを持ってるんだよ。」
その人は父親だったのだろうか、親戚のおじさんだったのだろうか。
気づいたころには、毎晩月が出ているか確認するようになっていた。
私は長野月見。
明日大学の入学式をむかえる。
18の春。
今夜は綺麗な満月で、夜空が明るい。
月見という名前を父親がつけたということ以外で父親のことは何も知らない。
「月見。体が冷えるから窓閉めなさい。」
母の声で自分がずいぶん長い間窓を開けていたことに気づく。
母は明日私が着ていくブラウスにアイロンをかけている。
明日から私はフェリーに乗って、海を隔てた県の大学に通う。
ドキドキしながら、スーツに袖を通してみる。
いいことあるといいな。
これは幼い日の私だ。月を見るとほっとした。理由はよくわからないが、また明日がやって来るのだと思った。
隣りにその人はいた。
誰なのかは覚えていない。
その人は私の頭を撫でた。そしてこういうのだった。
「月見ちゃん、悲しい時にはここで月を見たことを思い出してね。月見ちゃんは月のように優しい輝きを持ってるんだよ。」
その人は父親だったのだろうか、親戚のおじさんだったのだろうか。
気づいたころには、毎晩月が出ているか確認するようになっていた。
私は長野月見。
明日大学の入学式をむかえる。
18の春。
今夜は綺麗な満月で、夜空が明るい。
月見という名前を父親がつけたということ以外で父親のことは何も知らない。
「月見。体が冷えるから窓閉めなさい。」
母の声で自分がずいぶん長い間窓を開けていたことに気づく。
母は明日私が着ていくブラウスにアイロンをかけている。
明日から私はフェリーに乗って、海を隔てた県の大学に通う。
ドキドキしながら、スーツに袖を通してみる。
いいことあるといいな。
(笑)
(笑)