今日も今日とてラヴィット見て、洗濯して、ちょっとだけ銀行行って、こんなんじゃダメだなぁせめてクローゼットの片付けしようかなぁでも気分じゃないから冬物の毛玉取りとブラシだけかけようかなぁいや最低でも歯医者の健診の予約だけはいれよう、とか色々思いながら結局何一つやらないままダラダラと1日が過ぎてしまった休日。朝起きてから今までの17時間くらいのうち私の15時間どこ行ったんだろう。笑えない。


最近、仕事がお休みで家から出なくていい日はとことん鬱々と過ごしてしまう。朝、夫と娘を送り出してから夜二人が帰ってくるまで、何もせず、誰とも連絡取らず、ひと言も発さず、ほぼソファの上にいて本読むかスマホ見るかウトウトするか。社会との繋がりがないとか人の役に立っていないとかのレベルじゃない。え、私存在する意味ある?とかちょっとだけ思っちゃう。ただ、ギリギリ生きているだけ。暗い。そしてこわい。


もともとそれほどフットワーク軽い方じゃないし、おうち大好きひとり時間大好きなのだけど、それでも少し前まではちょっと時間があればママ友とランチしてお買い物行ったり、興味ある分野のセミナーとか講習会とか予約して行ってみたり、朝から計画的に普段はやらない念入りなお掃除をしてみたり、いま思えばだいぶアグレッシブな休日過ごしてたなぁと思う。それに比べると今の私は何の生産性もなく無気力に生きているだけのダメ人間の気がして落ち込みそうになることもあるけど、でもこれはこれで今はこうしたいのだから仕方ないと思うようにしている。


だって更年期。あぁこれが噂に聞く「何もやる気が起きない」とか「あれほど夢中になってたことに全く興味が持てなくなる」とか「起き上がれないほどの倦怠感」とかいう代表的なやつかーと納得。なるほどね、こんなにご親切にわかりやすくやってくるものなのね。むしろ微妙なフェイントや遠慮など一切ないところに潔ささえ感じる。そっちがそうくるなら仕方ない、多くの女性が経験するというこの無気力期に抗ったり上手にスルーしたりできるほど私は強靭にできていない。だから全面的に受け入れる方向で。開き直ってしまえばこんなジメジメした自分も、人生のほんの一時期だけ見知らぬ着ぐるみ着て別人格になってるゆるキャラのようでおもしろがれる。はず。


SNSをうっかり無防備に覗いてしまえば、同世代のモデルさんが「子供たちに、大人って楽しいよ!って背中を見せたいんです!!」とか言ってキラッキラな笑顔で自己プロデュースのシャンプーやら子供服やらを紹介していたり、同世代のインフルエンサーさんが毎日取っ替え引っ替え可愛いコーデを披露して、明日はヨガです明後日は息子のサッカーの応援です来週は東京でブランドの展示会にお呼ばれしてますぅーとか言ってて、あれ?更年期で鬱々としてる40代女性ってもしかして地球上で私だけなのかなと思ったりするけど、たぶんそんなことない。みんな持ち駒と居場所が多少異なるだけで、生きている上で背負っているものは変わらず、その場で上を向くも下を向くもたぶん自分の心持ち次第なんだろうなと思う。


小説やマンガならこんな風に人生が停滞したとき、ドイツに住んでるデザイナーの叔母がたまたまアシスタントを探していてそういうことならあなた来てみない?と声を掛けてきたり、独身の頃から趣味で細々と書き溜めていた素人小説がなんかのはずみで突然脚光を浴びて一夜で人生変わったり、道端で助けたおばあさんがたまたま財閥の女当主で全財産をこの親切な娘に譲るとか言い出して華麗なる遺産相続に巻き込まれてみたりするのだろうけど(クセ強め)、残念ながら私にはドイツの叔母も小説の趣味も財閥のおばあさんに出会う可能性もない。

でも、友達はたぶんそれほど多い方ではないけどいる。連絡したらすぐランチしよ!って会えるママ友もいるし、最近こんな感じなんだよねーとLINEしたら「あーわかるわかるBBAの入り口って感じだよね!忘れよ!飲み行こ!」って笑い飛ばしてくれる高校からの友達グループもいる。

「私が今こんなに荒れてるのはながおくんのせいなんだからね!産後無理したら更年期酷いよって100万人の先輩ママに言われたのに、ワンオペで無理するしかなかったから今こんななんだよ!だからながおくんは私の更年期に責任があるんだよ!」とか無茶苦茶なウザ絡みをしても、「うん大丈夫任せて。でも100万人はウソでしょ」って冷静に流してくれる夫もいる。子供たちも盗んだバイクで走り出したりせずになんとか育ってくれたし(まだまだめっちゃお金かかるけど!)、有り難いことに両親も元気。

そして何より、この上なくダメな自分を悲観せずに面白がる妄想力が私にはある。どんなに悲惨な状況でもメタな視点で冷静に捉えてみたらどこかに逃げ道はあると信じている。


人から羨ましがられるような有り余るお金やキラキラした立場はないし、じゃあ置かれた場所で精一杯綺麗に咲いてやろうという気力も今はないけれど、感謝を忘れず、目の前にあるものを大事に大切にしていたらきっとまたちょっとずつ自分らしさが戻ってくることを期待して…


と、怠惰な1日への壮大な言い訳はこのくらいにして、次のお休みはせめて掃除機くらいはちゃんとかけよう。反省。