またしても超高難度のご依頼をいただきました💦
今回のお題はミナミコメツキガニ。
東南アジア熱帯域の干潟に生息するカニで、
潮が引いた干潟の上で大きな群れを作りぞろぞろと前進する様子が軍隊に似ていることから英名は "Soldier crab" というそうです。
その大きさはなんと
1円玉サイズ💦
今回はこれを剥製にするわけです。
見るからに難しそうですよね。
「小さいと簡単に作れるんでしょ!」というご意見をよく耳にしますが、
\\そんなことはありません!!//
実は小さければ小さいほど難度は高くなります!!
これからその小ささに苦しめられることになるので、乞うご期待😓
5匹入手できたので、試しに1匹練習用に使ってみようかと思ったのですが、
触っただけでバラバラになってしまいました😱
こうなってしまってはどれがどこの脚だか全くわかりません😭
まさかここまで難しいとは思いませんでした。
心が完全に折れてしまったので、この子の制作は後回しにします。
とりあえず残っている4匹は何とか形に残せるよう、より慎重に扱うことにします。
まずはボイル。
茹でたら色が赤くなるのかと思っていましたが、生の時とそんなに変わらないみたいです。
今度はバラバラにならないように慎重に作業し、
なんとか除肉できました。
除肉が終わったら、殻を組み直し、ポーズを整えて乾燥させます。
1円玉サイズのカニ1匹に対して打ち込む針の本数のなんと多いことか💦
ちょっとしたアート作品に見えてしまうのは私だけでしょうか😅
さて、ここで一段落ついたので、
バラバラになった子を修復しましょう。
折れていた脚をボンドで接着し、
ポーズを整えて乾燥させます。
この修復作業だけで2時間・・・。
何度ボンドでくっつけてもすぐにバラバラになるので、めちゃくちゃ大変でした💦
十分に乾燥させたら、いよいよ塗装です。
・・・と意気込んでいたのですが、
グシャッ!
ぎゃぁぁぁぁぁ~!!!
少し手が触れただけで甲羅がつぶれてしまいました💀
もうほんとに繊細すぎます😖
甲羅が割れなかったのは不幸中の幸いですが、これまた修復にひと手間かかりそうです。
ということで、ここからは甲羅の修復作業へと脱線です。
甲羅がつぶれた部分にボンドを盛り、
その上から絵の具で色を塗って周囲となじませます。
どうでしょう?
これで凹みが目立たなくなったのではないでしょうか。
作り手としての意地と執念を少しでも感じていただけますと幸いです(笑)
さぁ、今度こそは塗装です!
全体を白く塗り、
甲羅の部分に水色を吹いて塗装終了。
甲羅はグラデーションになるようにこだわってみました。
最後に
コーティングを施して完成です。
ふぅ・・・。
脚が取れたり甲羅がつぶれたりと紆余曲折ありましたが、なんとか完成させることができました。
これまで15年以上剥製を作り続けてきましたが、これは間違いなくトップクラスの難物といえるでしょう。
とはいえ、今回も1円玉サイズの作品に挑戦することができ、剥製師として経験を積めたと思っています。
この中の1匹は依頼者様の元へ無事旅立って行きましたが、残りの4匹は手元にあるのでまた後日販売する予定です。
現在尾道で開催中の「おさかなアート展2024」にも展示しておりますので、どれだけ小さいか実物をご覧ください。
残り6日となっておりますので、この機会をお見逃しなく!