おばあちゃんおばあちゃんおばあちゃんおばあちゃんおばあちゃん

 

ある日お婆ちゃんが彼女になりまんた。

 

おばあちゃんおばあちゃんおばあちゃんおばあちゃんおばあちゃん

 

 

 

 

明日のデートはどこに行こうか。

 

トミ子は齢70歳。

僕の愛しい彼女である。

 

 

 

先週は六義園にデートに行ったのだけれど、

思った以上に広かったのと寒かったので、トミ子の腰痛が悪化(ノ_-。)

要所要所にあるベンチに15分座っては、5分歩くというペースでのデートであった(´・ω・`)

 

 

ベンチに座るたびに、

 

「若い人はいいわねぇ。若いといえば、私は昔ウナギ屋さんで働いていて…」

というウナギトークを聞く事になる( ´_ゝ`)

合計20回ほどウナギトークをしたので、僕はもうウナギを捌ける気がしてならない

 

 

 

「ウナギを捌く職人さんが粋な方でねぇ。私に色目を使っていたんですけど。。

叔父さんのウナギ屋だったので、私は気まずくてねぇ、言い訳しては逃げていたんだけれど、

最後にはうまく捕まっちゃいました。

やっぱり、逃げるのを捕まえるのがお上手だったのね。」

 

と頰を赤らめる、齢70の少女(*´ェ`*)

これをおよそ20回

 

大人げもなく、僕はだんだんウナギ屋の職人に嫉妬してきてしまった(・ε・)

 

 

もうウナギはお腹いっぱいなので、明

日のデートはそんな事にならないようにしなければならない。

 

どうしよう。

 

 

 

以前映画館に行った際は、何度もお手洗いに立つトミ子さんに周りのお客さんが怒ってしまった(ノ_・。)

また、爆発のシーンにびっくりして尿もれをしてしまったようで、申し訳ないことをした(ノω・、)

もうトミ子にあんな思いをさせたくない(´;д;`)

 

 

 

ああ、愛しのトミ子。。

 

 

 

以前ボードゲームカフェに行った際は、途中まですごく楽しかった( ´_ゝ`)

人生ゲームをやっていると、

 

「なんだか振り返っているみたいだわねぇ」

 

と喜んでいた(*´ェ`*)

 

 

「お見合いのマスはどこかしら?」

「徴兵のマスはどこかしら?」

 

と、途中一緒にやっている高校生を困らせてしまうシーンも見受けられたが、

概ね楽しんでいたようで嬉しかった(▰˘◡˘▰)

 

 

 

しかし、終盤「ババ抜き」が始まると、急にトミ子は静かになってしまった。

 

「どうした?」

 

と聞くと、

 

「私はいない方がいいかしらねぇ、もう婆ですから。。」

 

と悲しい顔をしてしまった。

 

 

「大丈夫、僕が婆を最後まで持っていてあげるから。」

 

と元気付けたが、やはり最後まで少し悲しそうだった(ノω・、)

もうトミ子にあんな思いはさせたくない(´;д;`)

 

 

 

ああ、愛しのトミ子。。

 

 

 

 

水族館を訪れた事もあった。

今思い出すと、あれはあれで楽しかったかもしれない( ´_ゝ`)

 

 

トミ子は魚を見るたびに、

 

「美味しそうなお魚ねぇ」

 

と言っていた。

 

 

そうでない時は

 

「あのお魚は食べられるのかしら」

 

と言っていた。

 

 

もはや齢70になると、

魚ごときに「可愛い」「きれい」などとは思わなくなるのだろう。。

 

 

それはそれで楽しかったのだが、

あの日、僕は問題のコーナーに足を踏み入れてしまった。。

 

 

そう。

ウナギである。

 

 

あの日も僕はウナギの下りを3度聞いているのである。

なぜ3度なのかと疑問に思うだろう。

 

 

1度目: ウナギのコーナー。

 

2度目: ウツボのコーナー。

 

3度目: イルカのコーナー。

 

 

お分かりいただけただろうか。

 

2度目のウツボは分かる。

3度目のイルカに関してはもはやなぜウナギと思ったのか。

おそらく体がツヤツヤ光っており、お腹が白いあたりをもってウナギとしたのだろう(´・ω・`)

 

そんな訳で、水族館も行くわけには行かない。

これ以上トミ子の大切なウナギ職人を嫌いにはなりたくないのだ!

 

 

 

ああ、愛しのトミ子。。

 

 

 

やはり巣鴨だろうか。

そろそろ巣鴨なんだろうか。

 

お店の間隔やトミ子の趣味を考えると、巣鴨デートがベストである。

しかし、トミ子の事をお婆さん扱いしているようには見えてしまわないだろうか。

 

早い。

やはりまだ巣鴨に頼るには早い気がする。

 

 

 

 

そうこう悩んでいるうちに、朝の3時になってしまった。

そろそろトミ子が起きる時間だ。

 

果たして僕は、トミ子を喜ばせることができるのだろうか。。