7月クールで最も楽しめたドラマその2
すでに家売るオンナを書いたのだが、
最終話を観て急遽もう1本追加したいのがこれ。
遊川和彦脚本の作品では、最終話込みでベストと思った。
物語の最大の謎として、
はじめの実母、泉の秘密があった。
伏線と思える場面はあった。
ひとつは自分の中に閉じこもっている泉が、
ゴヤの我が子を食らうサトゥルヌスに見入っている姿が、
登場しない父親像(はじめの父親?泉の父親?)を暗示しているようだった。
もうひとつ、
美奈がはじめにピアノを教える過程で、
なにも教えていないのに唐突にはじめが弾いたモーツァルトの子守唄。
全てがつながりまとまりの良い結末になった。
特に泉の告白シーンは、
志田未来、尾野真千子の演技力もあって、涙を禁じえない。
信次が母に、美奈が父に、愛を伝える場面も良かった。
この先に課題は多くあるだろうが、
皆がスタートラインに立てたエンディングは後味が良かった。