リオオリンピックが開幕した。

様々なトラブルが物議を呼んだこの大会、

私個人としても、

女子選手は参加を見合わせたほうが良いのではないかと思っていたが、

なんとアリソン・フェリックスが参加することとなった。

彼女が参加するからには、応援せざるを得ないし、

30歳になって挑戦するアリソンに注目している。

 

アリソンを初めて見たのは、

2004年のアテネオリンピック。

アリソンはハイスクールの女の子だった。

衝撃とともに、ものすごく嬉しい選手が現れたと思った。

 

なにより嬉しかったのは、私と同類と思った体つきである。

この頃、陸上短距離の世界では、ジャマイカが世界を席巻しており、

その代表格がベロニカ・キャンベルであった。

鎧のような筋肉を身に纏い、そのパワーで無酸素運動を凌ぎ切るタイプであった。

しかし私個人は、瞬発力と無酸素を競う競技で、

本当に大事なのは、アウターマッスルではないと思っていた。

登場したアリソンは陸上の選手としては、極めて細い。

まるでモデルのような体つきなのである。

勿論筋肉は発達しているはずだが、

彼女が素晴らしいのはインナーマッスル、俗に言う体幹である。

非常に強い体幹から、体がバネのような動きをするのが特徴。

このアテネの200m決勝では、アリソンが3レーン、ベロニカは4レーンである。

アリソンはベロニカに破れ、銀メダルに終わるのだが、

スローで見てもわかるように、ラストの50mで、ベロニカをじりじり追い詰めている。

直線、映像で二人が並ぶシーンでは、

二人の体つきが全く異なることがよくわかる。

このとき、私はアリソンこそ短距離の理想体型だと思った。

 

次はその3年後、

大阪での世界陸上の200m決勝である。

20代前半における、アリソンのベストパフォーマンスである。
いや、彼女の生涯のベストパフォーマンスだと思う。

 

アテネ同様、5コースのアリソンの隣に6コースにベロニカがいる。

フライングがあったため、レースは4分頃からはじまる。

このときのアリソンの後半の伸びは、

彼女の体幹がいかに優れているか明確に示している。

2位のベロニカに0.53秒という、

世界レベルの200mでは極めて珍しい大差をつけているが、

この大会でベロニカは100mで優勝しており、

ほぼ全盛期の力を持っていた。

それを、全くついてこれないほどの大差をつけたのは、

体幹の強さと、アウターマッスルの柔らかさ、しなやかさこそ、

短距離の理想であることを証明している。

 

20代後半に入ってからは、

アリソン自身も、アウターマッスルの重要性をしばしば発言しており、

インナー、アウターのバランスを求めるようになった。

そして30歳。

世界最高レベルでは、調整の難しい年代に入った彼女が、

どのような変化を見せてくれるのか、

とても楽しみにしている。

今回は、400m、200mの両方にエントリーしており、

13日の400m予選から登場する。

 

訂正。200mでは最終選考4位で代表を逃した。

昨年も21秒台の記録を残して復活していたので、

つい200mは当たり前と思ってしまった。

400mでの出場となっている。