「最近、彼氏と別れちゃったんだよ」
え?困惑する僕をよそに彼女は話を進める。
「はせ君よりかは若くはないんだけどね、先月まで付き合ってた彼氏がいるんだ。」
「でも転勤だから今までみたいに会えなくなる、遠距離は無理だし別れようだって、自分勝手だよね。」
彼女は結婚していて旦那さんがいる、でも仮面夫婦で実は先月まで彼氏と付き合ってたという。
「旦那とはさ、レスなんだよ。一応40代とはいってもさ性欲はあるし、旦那とも愛し合いたいとも思うよ?でも旦那が原因でレスになったからもう無理なんだ。」
「しかも浮気もしたんだよ、最低じゃない?だから今こうして彼氏つくったりして自分の時間を大切にしてるんだ。」
20年しか生きてきてない僕でも彼女の言いたいことはなんとなくわかる。
聴いてる限りだと旦那さんが悪いように思えるし、自分の人生を楽しみたい彼女の思いも。
でも、僕には分からないことが・・・。
「どうして旦那さんと離婚しようと思わないんですか?浮気もされたわけだし、もう愛想をつかしてるんじゃ・・・。」
すると彼女は、「結婚は君が知ってる恋愛とは全然別者なんだよね。離婚ってすごい大事な選択だし、なにより旦那に仕事を辞めて家事に専念してくれって、結婚する時に言われたの。だから仕事もしてなかったから貯蓄もないし、今は旦那の収入で暮らしてるから、わかるよね?」
「なるほど・・・」僕でもわかる、専業主婦をしてきて仕事をしてきたため、離婚しようにも暮らしがあるからできないのか。でも実家に帰るってことはできないのかな、と疑問が浮かぶ。
「実家はね、母親が返ってくるなですって。結婚したら最後、お互い死ぬまで一緒に暮らせ!だってさ。」
彼女がこんな秘密を抱えているだなんて夢にも思わなかった。
僕の困惑をよそに時間という歯車は、僕を着実に彼女との恋愛に近づけているのであった・・・。