読売新聞ヨミドクターの4月21日記事より抜粋

 国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などのグループが、重症心不全患者に対する治療として、恒久使用を目的にした補助人工心臓の開発に成功した。


 血液を送り出すスクリューをポンプ内に浮かせる型式で、血栓を作りにくいという。恒久使用を目的に開発されたポンプでは世界最小で、2年後の臨床試験を目指す。人工心臓の多くは移植までのつなぎ役だが、恒久使用が実現すれば、移植を諦めていた患者も救えるとしている。


 人工心臓のポンプの大きさは直径3センチ、長さ7・5センチ、重さ150グラムの円筒形。


 恒久使用を目的に日本で開発された「エバハート」の420グラムに比べ、重さは約3分の1になった。今回の人工心臓は、左心室と大動脈の間に人工血管でつないで腹部に埋め込まれ、衰弱した左心室の機能を助ける。


 ポンプ内のスクリューは電磁石の力で回転し、血流を作り出す。ポンプ内壁とも接しないことから「非接触型」と呼ばれる。部品を消耗させる摩擦をなくし、血栓ができにくいため、安全性と耐久性が高い。これまでは小型化が難しかった。