読売新聞オンラインニユースの11月5日記事より抜粋

 車いすの高齢者に3頭の犬が寄り添うと無表情だった高齢者たちからとびきりの笑みがこぼれた。

 新潟市中央区の医療法人「新成医会みどり病院」では約1年前から、併設している介護老人保健施設の入所者や患者が犬たちとふれ合うリハビリを行っている。

 入院して4か月になる男性(73)は「初めて犬たちとふれあったが、かわいくてとても癒やされます」と笑顔で語った。

 同病院で活躍する犬はモモ、バーディ、グラッパーの3頭で、市内の動物愛護団体から譲り受けた。団体が救助するまでは虐待や劣悪な環境で育てられていたとみられ、モモは左目を失っている。

3頭とも初めは人を怖がって触られるのを嫌がり、人間の半径約2メートルに寄りつかなかった。しかし訓練を続け、寝る時も寄り添いながら病院のスタッフが家族同然に育ててきた。

 バーディを育てた大山百合子さん(58)は「本当に懐いてくれるか不安だったが、今では寄り添うように人に近寄っていきます」と語る。

 3頭の犬たちは大山さんら愛情をこめて育ててくれた人への恩返しとでも言うように高齢者や患者に無償の愛を注いでいる。(横山就平)