古くから都では、貴族が池や河川に船を浮かべ、優雅な「管絃の遊び」をしておりました。厳島神社を造営した平清盛はこの風習を厳島神社に移し、遊びではなく神様をお慰めする神事として執り行うようになりました。
従って河川でなく瀬戸の海を舞台に雄大に繰り広げられるダイナミックな平安絵巻を思わせる海に囲まれた宮島ならではの優雅な祭りとなりました。
今日の祭典『管絃祭』は午後四時厳島神社の本殿で発輦祭(はつれんさい)があり、次に御鳳輦を管絃船に移し大鳥居前の儀を終えて、船内で管絃を合奏しながら対岸の地御前(じごぜん)神社に向かいます。
火建岩(ほたていわ)沖に一時停船し提灯に明かりが灯る頃、地御前神社からの御迎船を水先に地御前神社前の浜辺で祭典と管絃が奉奏されます。
祭典後、管絃船は宮島に向かい、長浜神社、大元神社で順次祭典を行い、大鳥居をくぐって各神社前で祭典と管絃があり、さらに狭い枡形に入り一気に御座船を三回廻りながら管絃を奉奏します。
この管弦祭のクライマックスである儀式が終わると神様は本殿に還御され、真夏の瀬戸の海を舞台に繰り広げられた一大平安絵巻は幕を閉じます。
【社団法人宮島観光協会のホームぺージより抜粋】