昨年、
シスプラチンとエトポシド EP療法の
1クールめの入院のときのこと。


お向かいのベッドの
60代半ばくらいの女性、
再発の化学療法のため
入院されてます。





医師との会話が
聞こえてきます。
(耳がダンボになってます爆笑



「先生〜
   なんで抗がん剤なの?
   なんで放射線をやってくれないの?
   私は放射線をやって欲しいの」



「〇〇さんは放射線はできません」



「なんで?
    お願い。放射線をしてよ!
    放射線をしたら治るでしょ。
    治してよ〜」



「放射線をしても治りません。
   〇〇さんは治らないんですよ」



「治らないってひどい!
   治すために病院に来てるのよ。
   みんなそうでしょう?
   放射線をして治してよ」



「ですから、放射線をしても治りません」



「どうして?
   治らないの?
   治る可能性は全くないの?」



「治る確率は10万分の1くらいです」



「がんは
7割のひとが治らないんです」
   



ガーンびっくりガーン




え???
なっなに?その数字!
驚いた。
ショックだ。
本当???


そのときの
衝撃は忘れられません。




でも!!
10万分の1とか7割とか、
そんな数字どこにも書いてないし、
誰かに(主治医とか)聞くつもりもないし、
気にしないことにしようと思ってます!





この患者さんは放射線をやれば
治ると信じていて、
放射線を強く強く希望されていました。


入院の前に説明を受けていたはずだけど、
ご自分ではきっと納得出来ていなかったんです。




説明するのに、
何か他の言い方は、
ないんだろうか、
放射線でなく、
抗がん剤のほうが
なぜいいのか
わかりやすく説明してくれたらいいのにと
思いました。



でも強く思い込んでいる患者さんには
そう強く言い切るほうが
よいものなのでしょうか???




その方は
結局そのとき、

「はいはい。わかりましたよ。
   じゃあ早く始めてください」



と仰っていたのですが


……
翌日の朝、


「正しく理解されていらっしゃらないので、
このままでは治療を始めることはできないと
今朝のカンファレンスで決まりました。
今日の治療は中止です」


「改めて説明の時間をとります。
どなたか一緒に聞いてくださる方を
呼んでください。
それでちゃんと理解いただけたら、
治療を始めます」



「え〜〜〜〜!!
   私わかったって言ったじゃない!
   もういいから、早く始めてよ〜〜!!」


「いえそういうことに決まりましたので、
   どなたか、呼んでいただけますか?」





…………




病院って厳しいびっくり

そういうものなんだ。

その時私も初めて学びました。




夕方、そのかたと、
お話ししたのですが、



「病院って酷いわよね〜
もう何でもいいから
早く治療をやってもらいたいって言ったの。
で、やっと明後日から
抗がん剤始められることになったわ。
本当は放射線をやって欲しかったんだけどね。
仕方ないわ」



……


びっくり

また中止にならないといいな


びっくりびっくりびっくり


……



翌々日から
無事に抗がん剤をスタートできたようでした。



彼女はお部屋も変わってしまい、
結局その後お会いすることは
ありませんでした。

 


今ごろどうしてらっしゃるかな。

お元気に過ごしていますように。