リチャード・ブランソン -4ページ目

リチャード・ブランソン

サー・リチャード・チャールズ・ニコラス・ブランソン(Sir Richard Charles Nicholas Branson, 1950年7月18日 –)は、イギリスの実業家。コングロマリット、ヴァージン・グループの創設者で会長を務める。

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引用元:http://www.faust-ag.jp/interview/interview006.php

——多くの人々が環境問題や地球温暖化のようなテーマを、政治的、または経営上の戦略目的で利用する傾向がありますが、あなたの場合は少し違って、そのような戦略的なアピールがないように思います。この点においてあなたはなぜ焦点がブレないのでしょう ?

ブランソン(以下B) 人類や地球、我々の子孫、いや私の子供たちが直面しているこの危機的状況を、私が理解し始めたのはこの3年ほどだ。これは途方もなくやっかいな問題で、私自身もその原因のひとつに関与していると思っている。私は世界的な規模の航空会社を4~5社も所有しているので、当然、なんとかしなければならない責任があるわけだ。何人かの科学者によるとすでにわれわれはすでに臨界点を超えていて、取り返しのつかない局面まで来ているという。先日、一緒に一日を過ごしたジェイムス・ラブロック博士は、いま、われわれができる唯一の方法は、Co2を削減する技術的方法の実施を訴えることだとしている。私の「ヴァージン・アースチャレンジ」も、この目的のために誰かが良い解決策を考えつくのではないか、と期待して設けた賞だ。

——確かに革新的な解決案に対して賞金を出すというのは、新しいことではありませんね。かつてナポレオンも、自分の軍隊のための食糧の良い保存法を賞金で募ったことがあり、結果的に缶詰の創案につながりました。

B その事実は知らなかったな。賞は目標を達成するには効果的な手段で、私は世界に必ず貢献できると思っている。英国の戦闘機・スピットファイアーも賞金の賜物だったし、大西洋を横断した最初の人物も、英国の日刊新聞『デイリー・メール』紙の賞金のおかげだった。偉大なことはよく賞金がらみで起きたりするもの。「Spaceship One」※も「Xプライズ」の賞金がきっかけだった。この私の賞が地球救済のきっかけになるかどうか。私は人類の未来はそれにかかっていると信じているのだが……。

※Spaceship One…ヴァージン・ギャラクティックが2010年の催行を予定しているサブオービタル宇宙旅行における、宇宙船「Spaceship Two」の前身となる宇宙船。「Xプライズ」にて、民間開発では初となる宇宙空間への到達と帰還を2度達成した。

——進行具合はいかがですか?

B 目下、ケンブリッジ大学が選考に関与しており、真剣な応募のみを受けつけている段階だが、冗談らしきものもたくさんある。われわれは解決案となるべき "まともな" 作品をくれぐれも見落とさないように注意しなければならない。

——アル・ゴア氏はどんな形で介入されているのですか?

B ティム・フラナリー(※注釈)やジェイムス・ラブロック博士と同じくジャッジのひとりだ。今回、非常に優れたジャッジが揃ったと思う。しばらくしたら、ジャッジ全員がすべての応募作品に目を通すことができるはずだ。

——アル・ゴア氏が『不都合な真実』でノーベル平和賞を授与されたとき、あなたはどう思われましたか?

B 『不都合な真実』は地球温暖化の問題について、ほかの何よりも人々に考えさせるきっかけを作ったと思う。国連が地球温暖化を示す恐るべき統計を発表したとき、人々は新聞で知ったと思うが、ほとんどは見出しを読んだだけだったはずだ。しかしこの映画『不都合な真実』により、低学年の生徒から高齢層まで幅広い観客が問題の核心に触れることができた。おまけにゴア氏がノーベル平和賞まで獲得したのは大変な快挙だ。おかげでたくさんの人がこの問題を真剣に受けとめ、地球温暖化や環境問題を最優先の課題として注目するようになったのだから。

——ゴア氏が自身の題目をプロモーションする道具として映画を利用していると、評論家が非難しています。これについてあなたはどうお考えですか? また彼が遅からず大統領に立候補するという憶測には同感ですか? これらの批評家たちは、映画の中には9つの不正確な誤りがあって、ほとんどの内容は事実というより、プロパガンダであると非難していますが……。

B 人々は彼について勝手な思惑で判断している。まず第一に彼は大統領選に立候補するとは言っていないし、今後、立候補するようには思えない。彼自身が、家族や友人たちと過ごすプライベートな時間やエネルギーをすべて投入して、プロジェクトに全力を注ぎこんでいることを忘れないでほしい。金儲けのためのビジネスにしているわけでもない。ツアーの旅費だってすべて自前だ。人々が彼を揶揄する理由が私にはわからないね。

——それは、不安や怖れからでしょうか?

B 恐らくそうかもしれない。ゴア氏が学生時代、大学の先生が彼に環境問題を啓発して以来、この問題に取り組んできた。突然、意識変革したのではない。すでに人生の大半を彼は“ 同じ声”で語り続けている。また9つの誤りに関して言うと、非難しているのは基本的に急進派の共和党員たちだ。私には、彼らが言葉の端々を楊枝でほじくり出しているように感じられる。どんな映画にだって、多少現実と違う部分はある。アル・ゴア氏は映画の中で、北極クマは実際に死ぬまでの2~3年前からゆっくりと死んでいくと語っていたが、私はあの映画の痛烈なアイロニーは絶対に正しいと思っているよ。



17歳で高校退学、20歳でヴァージンレコード設立。世界屈指の起業家・冒険家が本気で書いた人生とビジネスで成功するための教本。


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英ヴァージングループ総帥のリチャード・ブランソンが、「空」へと挑んだ人類の歴史を写真や図版付きで紹介。モンゴルフィエ兄弟やライト兄弟はじめ、初めて空の定期便の商業運航に成功した男や3000m近い高度から木製の翼を背負ってジャンプした男など、有名無名問わず「空」に賭けた男たちの勇敢なドラマ、さらにはブランソン自身の「宇宙」に賭ける思いとその挑戦の数々を語り尽くす。