ジュリアですサンダル



通勤途中、小さい子供がお母さんに

「雨!雨!」としきりに言うので

降り出してきたかと思いきや

お母さんが「今日は飴持ってきて

ないわよ」と。

幼児ゆえにイントネーションを

間違えていたんですね雨キャンディー



…で思い出した昔の話。

小学校の、あれは確か国語じゃなくて

道徳の時間に読んだお話です。



むか~しむかし

渡し舟(というには大きめの船の

挿絵でした。川ではなくて

海だったような記憶が…)に

お母さんと二人の小さな子供が

乗っておりました。

他にも乗船客が数人。

好いお天気で風も心地よく

横になって昼寝している

お侍さんもいます。

船が出て半時ばかり経った頃

末の子供が「おかあちゃん!

飴玉が欲しい!」と言いました。

姉も「私にもちょうだい!」キャンディー

お母さんが飴の袋を探ると

あいにく1つしか残っていません。

「欲しいよぅ!」「食べたいよぅー」

ぐずる子供たちに、母親は必死に

「向こう岸に着いたらすぐに

買ってあげるから」とか

「お姉ちゃんは我慢できるでしょ!」

…などと、なだめるのですが、

ないと言われたら、ますます

欲しくなるのが子供。

二人とも意地になって

「欲しい欲しい」と駄々をこねます。



すると、突然侍がムクっと起き上がり

母子の前に進んだかと思うや否や

脇差しを抜きました。

母親はもちろんのこと

騒いでいた子供たちも仰天し、

母親にしがみつきます。

「お騒がせして申し訳ございません。

どうか…命だけはお助けを!」

震えながら懇願する母親に

侍は仏頂面で「飴玉を出せ!」と

ひとこと。

母「は?」

侍「飴玉をそこに出せ、と

言っておるのだ!早く出せ!」

こうなっては子供たちも

飴に固執するどころではありません。

飴で許してもらえるなら…。

母親が紙袋から飴を取り出し

侍の目の前に差し出すと…

「ヤーッ!」という掛け声とともに

刀が振りかざされ

母子は悲鳴とともに身をすくませ…

…が、次の瞬間

ころん、という音とともに

見事に真っ二つに割れた飴玉が。



平常を取り戻した船の上、

仲良く口をモゴモゴさせる子供たちと

二人を嬉しそうに眺める母親、

そして少し離れた場所で

昼寝を楽しむ侍の姿がありました。



粋なお侍さんだよねー。





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