ジュリアですサンダル



あの日から2年。

地震で津波で失った多くの尊い命と、

家族や住む場所、職を失い

今だに苦しんでいる方々へ、

午後2時46分、私も黙祷を

捧げました。



あの日、多くの帰宅困難者が

バスやタクシー乗場に長蛇の列を作り

駅の階段の隅に腰掛けている様子が、

世界中に配信されました。

横入りすることなく一列に並び

階段は、昇り降りする人のために

ちゃんとスペースを空けてある。

震災で壊滅した町でも、

略奪や強盗が起きるどころか

半壊した店舗にすら人々は並び

お金を支払って買い物をする。

…私たち日本人にとって

そんな当たり前の行動に

海外メディアは驚き

「日本人の美徳」を称賛する

報道をしたそうですね。



日本人の美徳…モラル、マナーは

果たして本当に、世界中から拍手を

贈られるほど貴いものでしょうか?

電車の中でメイクをする女性や

飲食する厚顔無恥な人たち、

ヘッドホンから漏れる大音量の音楽に

遭遇するたびに、私は首を傾げます。

震災直後、乳製品やパンなどが

入手困難になりました。

どれだけ買えば気が済むの?ってほど

買い占める人々が続出したから。

トイレットペーパーも同様。

仕事を終えてスーパーに向かう頃には

売場がカラッポでした。

モデルのような容姿のお嬢さんが

トイレットペーパーを山のように抱え

都心の街を歩く姿に、

いなせな江戸っ子爺さんが

「あんなに小さいケツを

どれだけ拭けば気が済むんだい」と

呟いたとか。

仰る通りでございます。



私たちのアメンバーさんには

「卵とトイレットペーパーが

なかなか購入できなくて困ったけど

自分の家は二人世帯だから…と、

スーパーでたまたま居合わせた方と

シェア購入した」という

謙虚で賢い女性がいます。



震災の爪痕がまだ残る地で

乳児を抱え途方に暮れているであろう

若い母親に「お困りでしょう?」と

何かお手伝いを申し出たところ、

「私たちよりもっと大変な方々が

いらっしゃいます。どうぞそちらに

支援の手を…」という言葉が

返ってきたそうです。

「私たちはまだ良い方です」

何を根拠にそのように美しい

思いやりのある言葉を

発することができるのでしょう?



彼女たちの姿こそ、

日本人の美徳だと思います。

世界中の人たちが「素晴らしい」と

褒め讃えてくれた

この国に生きる私たちの気質。

それは、災害が起きた時だけでなく

日々の小さな暮らしのなかでも

後世に伝えていかなくてはならない

大切なものだと思うのです。





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