4ヶ月が過ぎて9月になっても鬱屈とした日々に何も変化は無く
強い危機感を感じていたのを覚えています

その頃に母親から電話がかかってきました

それはただの定期的な近況報告の電話に過ぎなかったのですが、
わたしにとっては、その電話を取ることにも勇気が必要でした

罪悪感もありましたし、
流石にそろそろ大学に行っていないことを話さざる得なかったからです

というのも実は、それ以前にも何度か母から電話があったのですが、
今の状況を正直に話すことができず、その度にをついてしまっていたのです

今の状況は自身の怠惰が生み出したものだから、
自分がその気になれば大学にだって行けるはずだと、
最初の数ヶ月は心のどこかで思っていました

それ故に、大学に戻って卒業さえすれば、
今の状況をわざわざ親に説明する必要もないと、
理由を作って嘘をつく自分に納得していたのですね

しかし、流石に4ヶ月も経つと、
この状況を打開するのは、自分の意志だけでは困難で、
時間が解決してくれる問題でもないということに気付き始めました

そうなると、もうこのままでは大学を卒業することが出来ないのは明らかで、
嘘をついてもバレることになりますから、正直に話そうと決心することが出来たのです

いや、決心というと少し違うかもしれません

もうあれこれ考えられないほど投げやりになっていて、
嘘をつく為の思考能力が、
当時のわたしに無かったというのも理由の1つとしてあったかもしれませんから

とにかく、全く大学に行っていないこと、
それどころか一人暮らしのアパートからずっと出ていないことを
母に告白しました

わたしは、それを聞いた母は怒るだろうなと思っていたのですが、
予想に反して、優しく心配してくれた様子でした

この時、母から「精神的な病気かもしれないから病院に行ってみたら」と言われ、
そこでようやく今の自分の状態は異常なのかもしれないと思い始めたのです