こんにちは
過去のことですが
小児科(精神科)の医師による
有料オンラインセミナーを
受けたことがあります。
セミナーを聴いているのは
全員、発達障害と診断されている
子どもたちの親御さんです。
(療育や学校の先生など
支援者の方は参加していません)
セミナーの内容は
発達障害をどう診断するのか、がメイン。
多くの患者さんを診ていらっしゃる
有名なクリニックの先生らしく
実際の体験談なども含めて
お話が続きました。
お話の中盤で
ふと、この先生が
うちの診察室に、「診てください」って連れて来られた子供の親も、大体みんな発達障害があります。90%ぐらい。子供の障害は親の遺伝子が原因です。
発達障害は遺伝だという研究データもここにあります。(そう言って一瞬グラフのようなデータが載っている紙を見せる)
それを私は聞き逃しませんでした。
親も発達障害?
そういう見解があることは
知っています。
そう言われてることも
知っています。
でも、先生、
はっきりと言ったんです。
研究データがあると。
エビデンスがあると。
90%ですか??
聴いてるのは
みんな発達障害の子どもを
育てている親たちです
私、なんかモヤモヤしまして
セミナーの最後の
質疑応答で手を挙げました。
先程、一瞬映った
データをもう少し見せてもらえれば、と
お願いしました。
すると、先生。
ちょっと慌てた様子を
みせたんです。
それで
私の診察室に来た人を見れば
みんなそうなんですよ。
うーん。85%ぐらいかなぁ
え?90%じゃなくて?
データを一向に出さないので、
司会者の方も助け舟。
先程、先生が手に取られていた紙のデータをご覧になりたいんだと思います。先程の…
そこで、ようやく
先程の紙が登場。
見せてくださいましたが…
データはかなり古いものでした。
20年以上前のもの。
しかも、さっと見せただけで
すぐに下げられました。
なので、よく見えなかったのですが…。
ADHDの遺伝率が75%ぐらい。
でも、これは海外のデータなので
日本はもっと高いだろう、と。
高いというのは、その先生の予想。
ちなみに、日本では
そういった研究データは
今のところないとのことでした
そして、
発達障害は遺伝する
とのことでしたが、
研究データはADHDに
限ったものでした。
いや、いいんですよ。
有名な小児科の先生が
毎日の診察で感じることを
シェアしていただくの。
とっても助かります。
ありがたいんです。
そうなんだー。
診察にくる親御さんも
ASDやADHDの方が多いんだ。
なるほど。
でも、
言い切らないでほしいんです。
発達障害は遺伝だって。
そんなん言われたら
親はどう思うか。
少し考えて欲しかったんです。
親がADHDだと
子供に遺伝する可能性がある。
こうやって言うのと、
子どもの障害は
親の遺伝子が原因。
こう言われるのとでは、
ニュアンスの違い、
わかります?
実際、発達障害には
環境的な要因や
解明されていないことなど
まだまだたくさんあるようです。
もちろん、遺伝説を完全に
否定したいわけではありません。
でも、偉い有名なお医者様が
自分で感じたことを
エビデンスのある事実のように
言い切って紹介すると
誤解する人もいるし、
苦しむ人もいる。
それを少し
考慮して欲しかったなぁと
思いました
今ならば、私ももう少し
冷静に受け止められたと思いますが、
当時は結構ショックでした
読んでいただき、ありがとうございます。
遺伝説については、色々なご意見があるかと思います。あくまでも、これは「遺伝です」と言われた時の私の気持ちを記しています。色々なご意見があって良いと思います
ちなみに、先生が示された研究者の方の論文(一部)もネットで読むことができたので目を通しました。ですので、先生の出されたデータを否定するつもりはありません。