英雄を生んだ村:ラ・コンコルディア | ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活

英雄を生んだ村:ラ・コンコルディア

 昨12月27日(日)、リカルドおじさんの久しぶりの撮影行の目的地は、ヒノテガ県ラ・コンコルディアLa Concordia)村でした。ヒノテガ県の北西端にある村ですが、ヒノテガ県の県都ヒノテガ 市から同県サン・ラファエル・デル・ノルテ 経由でも行けるのですが、今回はエステリ県エステリ市から回り込む形でアクセスしました。恐らく、この経路の方が若干近いと思います。マナグアから車で約2時間半、海抜約900mの山間の村です。

ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-位置

 村の入口では看板とマリア像が来訪者を迎えてくれます。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村の入り口(看板)
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村の入り口(マリア像)
 村に一歩入ると遠くに教会が見えました。それにしても起伏の激しい村です。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-教会遠望
 村の中心にある教会です。なかなか綺麗です。ちょうど時間的にミサをやっている時間で、村民たちが教会に入っていきます。村民はどうも生身の東洋人が珍しいらしく、ジロジロと見つめられますが、リカルドおじさんが「ブエノス・ディアス」と言うと、ちょっと恥ずかしそうに応答してきます。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-教会
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-教会
 教会の前の中央公園をぐるっと一周してみて驚きました。こんな看板が立っています。村の中心部を日本の援助で敷石舗装したことを示す看板で、2004年5月に完成したと書いてあります。「何と!日本の援助がこんな所まで来ているのか」とたまげてしまいました。すごいですね、我が日本も。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-日本の援助を示す看板
 下の写真が看板の前の道ですが、この部分を日本の援助で舗装したようです。綺麗に使われています。長閑な村にも役だっているわけです。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村の様子


 そして、村内を歩いていると暇そうな村人がいましたが、下の写真の真ん中のおっさんが、リカルドおじさんの顔を見て、「チナ・タイワン!」と叫ぶではありませんか。ニカラグアは大陸中国とは国交がなく、台湾と国交を持つ数少ない国のひとつなので、東洋人の顔を見てリカルドおじさんを台湾人と思ったのでしょう。

 「あぁあ、またか!」と思ったのですが、リカルドおじさんはこういう具合に言われると、ちょっとコチンと来て、急に言語回路が関西弁になりまんねん


 「あんなぁ、おっちゃん、ちゃいまんがな。ほれ、あっこに看板あるやろ?あの舗装をしてくれた国、ハポンやで!


 といっても、スペイン語で言うわけですから関西風にはなりませんが、リカルドおじさんもあの看板を見てしまった以上は、祖国日本の宣伝をしておかないといけないと思い、日本人であることを強調した次第やおまへんか

 そしたら、このおっちゃん、「あぁ、ありがとう。とってもいい援助だった」と感謝の言葉を述べたまではいいが、「この道のもっと上の方にまだ未舗装の部分があるんじゃが」と抜かしました。「そんなもん、知りまへんがな!」
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村人
 更に村内を歩くと、これが村役場です。村長はどうもサンディニスタ党の人らしく、役場の壁に政党の宣伝が書かれています。日本の市役所の壁に市長の所属政党の宣伝を書いたら大問題になりますが、この国では普通のことです。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村役場
 その村役場の前に新たに壁を塗り替えたばかりの小さな家がありました。その家の前に座っていたおっちゃんがリカルドおじさんを手招きするので何だと思うと、これは村営「文化の家」(Casa de la Cultura)だと説明してくれ、頼みもしないのに、閉まっていた鍵を開け、中に入れというのです。こういうところがニカラグア人の親切というか、おせっかいというか。しかし、せっかくですので入ってみました。
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-村営「文化の家」
 「文化の家」と言いながら、中には何ぁ~んにもない。唯一、このおっちゃんが座っている椅子があるだけでした。

 おっちゃん曰く、「この椅子は村が生んだ英雄ベンハミン・セレドンBenjamín Zeledón)将軍その人が100年前に座っていた椅子なんだよ。」(ほんまかいな?)

 この国は19世紀以来、アメリカとの関係が極めて複雑な歴史があり、何度もアメリカ軍の侵攻、駐留を受けています。サンディニスタの名前の起源になったアウグスト・セサル・サンディーノ将軍が典型的ですが、この国ではアメリカと戦った人物はみな英雄として奉られているといっても過言ではありません。ベンハミン・セレドン将軍は20世紀初めにアメリカ侵攻軍を現在のマサヤ市にあるコヨテペ丘の要塞 で迎え撃ったニカラグアの英雄です。

 それにしても、「おっちゃん、そんなナショナル・ヒーローが使用してた貴重な歴史遺物の椅子に気軽に腰かけてええのん?」
ラテンなおやじのぐうたらニカラグア生活-「文化の家」管理人

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