私たちは、自分という国の国道をただ必死に走っているだけなんだ。
強烈なエンディング。脳裏に焼きつく映像。
以前見た「消えていくなら朝」と同じだ。
描かれたのは国道だったけど、
私は何故か海を想像した。
私たちは皆、同じ水源から生まれているのだ。
同じ大きな海をそれぞれの船で進む。
その船の形や強度、標準装備が少しずつ違って、
それが私たちの個性や物の見方、
人生の歩み方の違いに繋がる。
目的地を持って進んでいる人もいれば、
ただ漂うだけの人もいる。
どちらが正しいとか、間違っているとかはない。
目的地があっても、そこには誰にも予想できない波や潮の流れがある。
それはコントロールすることができない。
最後は流されるしかない。
それが人生じゃないかと。
生きているということは、
その船のオールを漕ぐということ。
死ぬというのは、そのオールを手放すこと。
ただ、オールを手にする人間が変わっても
そのにある海や船は永遠で、
誰かがオールを手放したその船は
また新しい誰かへ引き継がれていく。
誰かと比べる必要なんてないのに
比べてしまうこと。
他人が見ている私と、
私の中にある私の乖離。
はっきり、モノが言えなくて
抑えきれなくなった時には
噴火みたいになってしまうこと。
どうしてたった一つの作品にこれだけの要素を詰められるんだろうって思う。
そして、こういう作品に出会う度、
私は赦されたような気持ちになる。
迷いながら生きるって美しい。
普段ならそんな風に思えないのに
不思議と素直に、そんな私たちの在り方を、
私の生き方を認めてあげることができる。
演劇はいつだって私の味方。
これからも愛し続けます。
今宵も良い時間をありがとう😊