terra e mare 大地と海

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ヴェネチアのホテル

  

  ○チプリアーニ


チプリアーニの専用ボートで、マルコポーロ空港から30分、ローマ広場からだと15分でジュデッカ島のチプリアーニの専用停泊場に到着する。


ヴェネチア本島の喧騒とは無縁の、しかし本島へはボートで数分で行くことが出来る

チプリアーニは、ヴェネチアで最も優雅でプライベート感覚で過ごせるリゾート・ホテルといえる。

プールを囲むように配置された本館とヴィラ2棟からなるホテルに宿泊した部屋は、眼下にヴェネチアの陽を浴びてキラキラと輝くプールを、目線を上げると運河の向こうにサンマルコ広場の尖塔を望むことができる素晴らしい部屋だった。




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                  チプリアーニの全景

 

何といってもこのホテルのハイライトは、それぞれ特徴のある3つのレストランでの食事だ。 

 
                            
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朝食は運河を望むフォルチュニー・レストランで

                             昼食はプールサイド


それぞれが雰囲気といい、ローケーションといい、無論そこで出される食事もワインも全てを堪能できる。プールサイドならプロセッコのカクテル、ベッリーニで喉を潤すのがヴェネチア風だ。


                                   

           
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前菜はヴェネチアのラグーンで獲れる小魚のフリット,そしてイカ墨のパスタ、メインは鱈のヴェネチア風煮込みにポレンタ添え。やはりここヴェネチアでは魚料理を選んでしまう。

ワインはやはり地元の白ワイン、アンセルミやイナーマのソアーヴェ・クラシコ・スーペリオーレがベスト。勿論ヴェネト州の隣、ロンバルディーア州で産するシャンパーニュと並び称されるフランチャコルタなら、料理を通して泡だけでOK。ロゼやサテンのニ種を。
terra e mare 大地と海  夕食は運河に張り出したチップス・クラブで


  チプリアーニの過ごし方は食事だけではない。テニスや大きなプールでのスイミングというアクティブなものだったり、スパ三昧で静的に過ごすことも出来る。


ヴェネチア本島へ行く時は、ホテルの桟橋から専用ボートでサンマルコ広場まで10分ほどで行く事ができる。広場を中心に何本ものショッピング・ストリートが広がっている。
人混みを掻き分けるように、ヴェネチア独特の狭い迷路のような小道を歩きながらの
ショッピングは、他のどの町でも味わえないわくわく感がある。
みやげ物屋的な店もあるが、全体として店のグレードは高い。やはりイタリアなのだ。

そんな小道の一角に、ハリーズ・バーがある。
今や世界に名の知れたハリーズ・バーは、ホテル・チプリアーニの創設者、ジュゼッペ・チプリアーニが創業したレストラン・バーの本拠地として、既に80年もの歳月を刻んでいる。
*写真はチプリアーニのホームページより

ヴェネチアのホテル                    

  ダニエリ


ヴェネチアに滞在する場合、決めているホテルが幾つかある。訪れる季節によってホテルは違うのだが、最も重要な条件はホテル専用の送迎ボートがあることだ。そうすれば、空港或いはヴェネチアの玄関口、ローマ広場からホテル専用のボートでホテルの専用の船着き場まで直行できるから。


ヴェネチアには車が入れないから、そういうホテルを選ばないと個人旅行の場合、荷物を抱えて大変な思いをしなければならないからだ。

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決めている3つのホテルは、夏なら目の前にビーチが広がるホテル・デ・バン、春ならちょっと離れたチプリアーニ、冬はダニエリ。いずれのホテルも専用の桟橋を持っている。

 ミラノ経由でヴェネチアのマルコ・ポーロ空港に到着すると、ターミナルビルを出たすぐ目の前に船着場が見えてくる

係留されているヴェネチア独特のマホガニー製モーターボートのスタッフと目が合うとすぐさま駆け寄ってきて、持っていた荷物を手早くボートに積みこんだと思ったらあっという間に、ゴゴゴッ・・と低く唸る二基掛けのエンジンを響かせながら、ラグーンの油を流したような海面を掻き分け、突っ走る。


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船好きの私にとって、空港に着くや否やまず船上の人になれる喜びは、何にもかえられない。そして何処へ行くにもボートで、という非日常空間に浸れることが此処に来る最大の理由かも知れない・・と思っている内に、ボートは広い海域からラグーンに入り相変わらず快調に飛ばしている。

ヴェネチアのラグーンは浅瀬が多いので、大きな松を束ねた杭と杭の間を航路としているその航路をくねくねと蛇行しながら、防寒着で完全防備の操舵手は手馴れたふうに舵を切る。


ボートには10数人は座れるキャビンがあるけれど、私達の他には客はいない。この船はホテル・ダニエリの迎え専用だから、キャビンに居ようが、デッキでヴェネチアの冬の空気を全身に感じようが好きに振舞えるのがいい。


そんなクルージングを楽しんでいるのもつかの間、ボートはカナル・グランデに入ると多くの様々なボートと行きかいながら小さな運河に入り、スーッとダニエリの小さな桟橋に停止した。

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terra e mare 大地と海 ダニエリの専用桟橋


私にとってこのホテルの最大のハイライトは、カナル・グランデを見渡すテラスで食事を摂ることに尽きる。特に朝食をこのテラスでとれば、非日常的なヴェネチアでの素晴らしい一日を予感する事が出来る。



terra e mare 大地と海 ダニエリから眺めるカナル・グランデ


2月のカーニバルの時はダニエリからサン・マルコ広場まですぐだから、思い思いに仮装した広場に集まる人達と間近に接することが出来る。そんな群集に紛れ込んでしまうと、ヴェネチアはやはり別世界で、なにかの拍子にタイムスリップしてしまったのだと思ってしまう。





ロワールワインと魚介料理のマリアージュ ③

 

ーミュスカデー 


ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ・シュール・リと相性のいいと思われる食材で、自宅でクッキングして楽しんだ。



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一皿目・・・アサリと小ハマグリの酒蒸し。エシャロットと二種の貝を強火で炒め、そ

       の後ミュスカデを振りかけ蓋をして蒸し煮に。

       


       器に盛るとミュスカデの香りが部屋中に広がった。

       その香りを吸い込んだらたまらない。待ちきれずにまず一気にミュスカデ

       をゴクゴクと。よく冷えた麦わら色の液体が、腹に染み渡ったその直後、

       貝の旨みとワインの酸味が合体して、思わず旨いと唸ってしまった。

       このマリアージュは何度試しても、いけてるナと。



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二皿目・・・スルメイカと肝の共焼き。通常の白ワインでは肝のヨードっぽい濃厚な味   

      についていかないけれど、ミュスカデの爽やかな切れ味が、磯で戯れてい

      るような感覚に一瞬襲われる。

      イカの肝焼き好きとしては、このコンビネーションには病みつきになってい    

      る。



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三皿目・・・イカと大根の和風煮込み。これはどの家庭でも定番料理の一品。

       イカの肝焼きは好き嫌いがあるし、ワインと合わせるのをためらう人も

       いると思うけれど(特に欧米人は無理かも)、このシンプルな料理は酸の

       強い日本酒以外に、ミュスカデの方がよく合うと思う。

     

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食べた後、口に含んだワインは間違いなく別物に変化する。 ワインと食のマリアージュとは、その変化の妙を楽しむ・・・ということが、高級赤ワインとジビエやフォアグラとのマリアージュでは無くても、リーズナブ ルな白ワインでも楽しめる、と言うことを思わせる組み合わせだ。

       

四皿目・・・ジャガイモのクリームソース・グラタン、エメンタール・チーズ乗せオーヴン  

      焼き。この一品は昨日クリーム・シチュー用に作ったソースが余っていた

      ので、ミュスカデに合わない事を予想していたけれど、何か野菜か根菜の

      付け合せが欲しかった。知人が作っている完全有機のバジルを

      載せた。バジルの香りが心地よい。

      

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      やはりクリーム系と合わせると、ミュスカデの酸味がたち過ぎてしまう。

      もし簡単に野菜を合わせるなら酢やレモンを使った単純なサラダがいい。

      



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ミュスカデのシュール・リ製法は、醸造過程でのオリ(用を終えた酵母)を残したまま寝かせて瓶詰めする。地元で出会う微発砲したミュスカデの、ピリリと舌に心地よい刺激がたまらない。

何処にでもある製法ではないがイタリア、ヴェネト州の発泡酒プロセッコには、ミュスカデと同様のシュール・リで作られるものがある。ややにごりが有り、その旨みのある爽快な飲み心地を経験すると、他のスパークリングは飲めない・・・と思うほど。(時にはシャンパーニュでさえも)


いずれのワインも非常にリーズナブルでしかも日本料理を含めた魚介に幅広くマッチするから、私達日本人にとって無くてはならないデイリーワインとして常備しておきたい。