◆オクラトキシンA | RIBM 食品分析(アレルゲン、遺伝子組換え食品、残留農薬、品種判別、ノロウイルス)

オクラトキシンAは穀類や豆類などに生えたかびがつくる有害な化学物質(かび毒)の一種です。


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1.オクラトキシンA

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■オクラトキシンA

オクラトキシンAは、アスペルギルス・オクラセウス(Aspergillus ochraceus)などのかび類がつくるかび毒です。穀類及びその加工品、コーヒー、ココア、ビール、ワインなど、さまざまな食品で汚染の例が報告されています。国際がん研究機関(IARC)では、オクラトキシンAを「ヒトに対して発がん性の可能性がある」グループに分類しています。

■かび毒

かびは、食品や医薬品の製造に利用され、人々の暮らしに役立っているだけでなく、他の微生物とともに生物の死骸などを分解して環境浄化に役立っています。しかしその一方で、かびは食べ物の味や匂いを変えて品質を劣化させたり、腐敗の原因にもなります。かび毒とは、別名マイコトキシンとも呼ばれ、かびの産生する代謝物のうち人や動物の健康に障害を起こす毒素の総称です。

■かび毒の種類

かび毒は、その種類によって汚染される農産物や時期、場所が異なります。現在300種類以上のかび毒が知られていますが、食品汚染で問題となる代表的なかび毒としては、

(1)とうもろこし・穀類や落花生、豆類などから検出されるアフラトキシン類

(2)穀類や豆類などから検出されるオクラトキシンA

(3)小麦や大麦などから検出されるデオキシニバレノール、ニバレノール

(4)りんごなどから検出されるパツリン

などがあります。

一般にかび毒は、熱に強く、加工・調理しても毒性がほとんど低減しないため、農産物の生産、乾燥及び貯蔵などの段階で、かびの増殖やかび毒の発生を防止することが大切です。

■オクラトキシンAの基準

オクラトキシンAを産生するかびは熱帯から温帯の寒冷地まで広く分布するため、オクラトキシンAの汚染が世界中の幅広い地域で様々の農作物で発生し、国際的に問題となっています。食品の国際基準を作成するコーデックス委員会では、2008年にオクラトキシンAについて、小麦、大麦、ライ麦について5μg/kgの最大基準値を設定しています。さらに、穀類などのかび毒汚染の防止及び低減に関する実施規範を定め、各国にオクラトキシンAの低減を呼びかけています。EUではオクラトキシンAについて、

・焙煎コーヒーや未加工穀類に5.0μg/kg

・穀類加工品に3.0μg/kg

・ワインやブドウジュースに2.0μg/kg

等の基準値を設定しています。我が国では基準値の設定等は行われていません。


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2.オクラトキシンAの健康影響

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■オクラトキシンAの毒性

各種の動物実験で腎臓への毒性が確認されており、げっ歯類では腎臓への発がん性が認められています。

■オクラトキシンAのリスク評価

食品安全委員会では、委員会自らの判断で行うリスク評価を行い平成26年1月に評価結果を公表しました。オクラトキシンAは、DNAに間接的に作用する非遺伝毒性発がん物質であると判断し、

・非発がん毒性に関する耐容一日摂取量(TDI)を16ng/kg 体重/日

・発がん性に関する耐容一日摂取量(TDI)を15ng/kg 体重/日

と設定しました。

※ng(ナノグラム):10億分の1グラム

※μg(マイクログラム):100万分の1グラム

※mg(ミリグラム):1千分の1グラム

■日本におけるオクラトキシンAの摂取量

日本における食品の汚染実態調査では、ココア、インスタントコーヒー、チョコレート、パスタ、蕎麦、レーズン、缶コーヒー、焙煎コーヒー及び小麦粉等からオクラトキシンAが検出されましたが、現状では、オクラトキシンAの摂取量は、摂取量の多い層でも今回設定した耐容一日摂取量(TDI)を下回っていると推定され、食品からのオクラトキシンAの摂取が一般的な日本人の健康に悪影響を及ぼす可能性は低いものと考えられました。


なお、オクラトキシンAの主な産生菌は、生育条件が異なると、違う種類の農作物及び食品に生育します。また、オクラトキシンAの汚染の程度は、気候等の影響を受けやすいことから、今後厚生労働省や農林水産省などのリスク管理機関が汚染状況についてモニタリングを行うとともに、規格基準について検討することが望ましいと考えられています。


食品安全委員会e-マガジン【読み物版】平成26年8月19日配信版 より


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