■10年目のサンタクロース | 橘りべか【旧ブログ→新ブログへ引っ越し中】

直感コンサルタントの 橘りべか です。



橘りべかの【33歳からの天職へ転職の法則】

10年来、このクリスマスの時期のエキサイティングな楽しみが一つあります。



それは、10年前にレッスンで受け持った小さな2歳の女の子から始まりました。



当時英語を教えていた私は、新しく受け持つことになった生徒のお家へ授業に出向きました。

「はじめまして」とお家の玄関で靴を脱いで上がると、担当予定の生徒が見当たりません。


あたりを見回すと、膝を抱えながら丸くなり、一人静かに息をひそめて隠れている

小さな女の子を、ダイニングテーブルの下に見つけました。


ほんの少しだけ小さな息使いを感じたので、びっくりさせないようにとそっと覗き込んでみると、

好奇心がいっぱい詰まっているような大きくて黒い目が一瞬見えました。


「今日からよろしくね」


まるで蝶々にでもささやくような小さな声で、ほんの少し目が合った瞬間に私から挨拶をしました。

しかし、その女の子は微動だにせず一向に出てくる気配がありません。

お母さんも、先生がいらしてるから早く出てきなさいと女の子をせかしています。


私は床に膝をついて、ダイニングテーブルの下を首を傾けてゆっくりと覗き込み、

「いい所に隠れてるね。見つけたよ。」と言いました。


するとその女の子はにこりと笑って、ほんの少しだけ出てきました。

「先生、今日はとっても楽しいゲームを持ってきたのよ。きっと大好きだと思う。」


それを聞いて私の鞄から本当に楽しそうなゲームが取りだされるのを見ると

その女の子はすっかりテーブルの下から這い出して、「早くやろう!」と

小さな柔らかく温かい手をのばして、ぎゅっとつないできました。


それが彼女との初めての出会いです。それから毎週部屋のどこかに隠れて待っている

彼女を探して見つけるゲームから、レッスンは始りました。


彼女はかくれんぼの名人です。ぱっと見ただけですぐに見つかりません。

息もひそめて、気配も消してただ動かずに私が見つけるのをわくわくしながら待っているのです。



そんな彼女に、10年間秘密にしていることがたった一つだけあります。

それは、ご両親からの依頼により毎年サンタクロースとして代筆をし、カードを届けていることです。


毎年クリスマス前に1年間を振り返り、彼女がどれだけ成長したかをひとつひとつ思い出しながら

言葉にして、クリスマスカードにしたためていきます。


そして何より最もエキサイティングな瞬間は、そのメッセージを書いたカードを彼女に見つからない

ように、クリスマスにポストに届けることです。


早朝に音を立てないように、彼女の家のポストの前に立ち、メリークリスマスと囁きながら

手紙を入れる時、サンタ役として成長を見守れる喜びを最大に感じる瞬間です。


今年で彼女は12歳。もうテーブルの下に隠れるには大きすぎるほど背も伸びて、

もう誰からも隠れる必要もないくらい成長し立派になった彼女。


今は私が彼女に気付かれないように、そっと姿を隠して今年もカードを届けます。





そういえば以前、街中がクリスマスのイルミネーションで一番美しい日に、

コスチュームを着てサンタクロースになった人が、1年に1度のクリスマスに大喜びしている

子ども達を遠くから愛おしそうに目を細め、そっとつぶやいていた言葉。




「サンタクロースになると、・・・・・が見えるんだよ。」




もしあなたがサンタになったら、何が見えると思いますか?