大学生の就活で、適性診断だの、自分と向き合うような内容が盛り込まれている(らしい、私は体験したことがないから、なんとなくそう感じているだけ)のって、そういうことをしないでなんとなく就職してしまった私にとっては、少し不思議だったんですが。

それだけ、就職というか仕事を、人生の一大イベントとして重要視してる、ってことですよね。

なのに私の就職理由ってば。
とにかく働かないと、生活が成り立たない。
かと言ってこのままフリーターというのも、先のことを考えるとあんまり良くない、ってことはなんとなく分かる。

そこに、友達(のお父さん)からの紹介案件。

まだ自分に何ができるのか、何がやりたいのかもまったく分からない状況で、就職するしかないという一択だった。

そんな私を受け入れてくれた前職の会社は、限りなく黒に近いグレーな会社ではあったけど、あの頃はまだ、それが当たり前な時代でもあったしね。

何度も辞めたい、辞めようと思ったことはある。
父にも、もっと上を目指せとよく言われたけど。
それでも辞めなかったのは、自分の価値に何にも自信がなかったから。

高卒だし。
やりたいことも、できることもこれといって特にない。
というか、認識出来なかったと言うべきか。


言われたことを(心の中では文句を言いつつも)素直にやるだけ、真面目さだけが取り柄なんて、ブラック企業にとっては価値があるかもだけど、普通の企業でそれで通用するとは思えなかったし。


そうやって長居した前職の会社で、趣味で学んだWEBの知識を成り行きで活かす機会を得て。

入社当初から、パソコン(ソフト)にはなぜか親和性が高く、解説書読んでほとんど使えるようになってたので、それに対する自負はあって。
それ以前に、家でも『家電』担当は私だったから。

趣味で自分の同人サイト立ち上げるのに勉強したのも、私ならできるんじゃない?という自信は少しだけあって。
でもその頃はまだ、今ほどインターネットも普及していなかったから、それ以上どうにかしようとは思わなくて、自分のサイトをリニューアルするのに、JavaScriptにちょっと手を出したくらい。


それをまさか、仕事で活かす日が来ようとは、まったく思ってなかったです。

そしてその経験から、それを仕事にしようなんてことも。


大学行ってれば、あるいは最初から高卒で就職すると決めていたなら、自分と向き合うという機会が与えられたんだろうけど。

私にはそれがなかったから、追い詰められてギリギリまでこないと、なかなか自分の本当の望みと向き合う、なんてこと考えもしなかったわけです。

そ。大学に行かなくても、嫌でも人生のどこかで、「自分はこのままで本当にいいんだろうか?」ということに気付く瞬間がやってくる、ということ。
必ず誰にも来るのかは分からないし、あっても気付けるかどうかはその人次第なんだろうけど。

それまでの人生に満足していても不満でも、そういう自分自身への問いが眼前に突きつけられる機会は、訪れる。


これは私の推測だけど、その時人生を諦めてたら、気付けないんだと思う。

だから、「これまでの人生が不満」な人の方が有利ではあるのかな。
でも、側から見て充分幸せそうな人でも、貪欲に求め続けている人もいるでしょう。
そういう人は、自ら問題点を探して、改善していくことに喜びを見出してるのかもしれない。

一番不利なのは、自分が今以上に幸せになれると信じられない人、幸せになることを諦めちゃってる人じゃないかな。

これは高齢になるほどその傾向が強いと思う。
身体的な衰えにより、気持ちも萎えてしまうのかもしれない。

健康であることがいかに幸せか、ということでもある。

ココロとカラダは繋がっている、ということでもある。


人は自分でも意識していない領域(=無意識)で、『今のまま変わりたくない』という気持ちと、『変わりたい』という気持ちがせめぎ合っている。

それは海の深いところで、大陸を乗せたプレート同士がせめぎ合っているのに似て、ある日そのせめぎ合いでたまりにたまった『ひずみ』が大地を揺るがすように、無意識でのせめぎ合いも、ある時ドッカーンと自分自身を揺るがす大事件を具現化したりする。

心には『心の恒常性』というか『慣性の法則』?があって、意識がその状態を好むと好まざるとに関わらず、『今のままがベスト』『今のままが安心』という思い込みがあって。(これはけっこう普通のこと)

裏を返せば、現状を変えるのはこわい、変わるのはこわくてたまらない、という怖れの裏返しです。

何も考えずに前職の会社に就職した私は、まさにこの怖れのために、辞めることなく32年間も働き続けたのです。

それというのも両親がね、ものすごーくコロコロ転職を繰り返したせいで、すごく不安定な生活を送った学生時代だったので。
「辞めたらまたああなる!」っていう思い込みが、とても強かったんですね。

そして同時に、自分に何か特別なことが出来るとはまったく思わなかったから。
転職成功させる自信、ゼロどころかマイナスでした。

だけど、たとえ限りなくクロに近いグレーな会社でも、32年間も働き続けて(あるいは生き続けてと言ってもいい)、何にもないってことはないんですよね。
自分で自覚しにくいだけ。

最低でも、そんな会社に32年間も居続けた根性はある(笑)。
その間、特に問題を起こすことがなかったというのも、場合によっては評価されることでしょう。

こういうことに気付けるようになるにも、やっぱり自分と向き合う時間とか機会って、すごく大事なんだな、って、今あらためて思います。


だから、就活にそういうことが盛り込まれるのも納得!

今は私たちの頃のように、一生同じ会社で働くという意識は薄いかもしれない。

でも、まだまだ企業側としては、長く働いてくれる人材を求めてもいるんだろうし。
だから最初の就職に重きを置くのは、あんまり変わってないのかな?

最初の就職はあくまでもファーストステップ。
そこが合えば続ければ良いし、合わなかったらステップアップを考えたらいい。

誰もが望んだ会社、望んだ仕事に就けるわけでもないしね。

2度目の職場に長くいることになるかもしれない。その次かもしれない。
そんなことは、やってみるまで誰にもわからないのだから。


私は2度目の就職を目指してるわけだけど、年齢的に、今後そう何度も転職出来ないだろうから、後悔のないようにじっくり選びたい、と考えてるけど。

合うか合わないかは、入ってみなけりゃわからないなら、ファーストステップにこだわりすぎる必要はないのかも?

転職、繰り返しても別に良いじゃない?
少なくとも経験は積んでいけるし、そこからあらたな出会いがあって、また別な道が開けるかもしれないのだから。

最初はバイトでもパートでもなんでも、気楽に始めてみたら良いのよね。

そもそも、今回の就活の最大のネックになってるのって、『WEB業界での実務経験がないこと』なんだから。

そりゃあ5年も下積みしていられる余裕はないけれど、2〜3年実務経験を積めば、また選べる仕事も変わってくる。


何にせよ、不安や恐れから始めても、何事もうまくはいかないから。
過剰な期待をせず、かといって諦めることもせず、楽しみながら就活しよう!


そうそう、大学生と仕事を争う場面があったとして。
もちろんこちらが圧倒的に不利だな、とは思うけど。
大学生さんたちは、周りからのプレッシャーがすごいだろうなぁって。
そこは私の方が有利かも?

誰かと比較するのでなく、自分のペースで最善を尽くしていけばいい。
けど、プレッシャーでそうしたくても出来ないかもしれないもんね。

自分の人生なんだからさ、自分が一番納得できるように決めたいよね。