インフルエンザの流行する季節がやってきた。うがい、手洗い、マスクなどの「体の外側」からの対策はもちろんだが、このところ注目されているのが、免疫力を向上させるなど「内側」からの対策だ。さまざまな研究が進んでいるが、今年の冬は乳酸菌の中でも、「フェカリス菌」が注目を集めている。(画像提供:トレンド総研)



 生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(本社・東京都渋谷区)が11月上旬、20-40代女性を対象に、「インフルエンザ対策」にかんするアンケート調査を行ったところ、「幻覚が見える程の高熱が出た上に、解熱剤の効果が全く見られず、恐怖を感じるほどだった。(44歳・福岡県)」、「1人の感染をきっかけに、家族全員が同時期にダウンすることになり、1週間何もできなかった。(33歳・静岡県)」などの回答があがり、インフルエンザの“被害”は相も変わらず、甚大である状況が浮き彫りになった。



 インフルエンザの具体的な対策方法としては、「手洗いをする」(69%)が最も多く、以下、「うがいをする」(62%)、「マスク」(51%)と、「外側」からの対策に力を入れている人が多い。



 一方で、「十分な睡眠をとる」(36%)、「食事による対策をする」(18%)と、免疫力を向上させるための「内側」からの対策は、まだ多いとは言えないのが現状だ。



 しかし、すでに乳酸菌などの免疫力向上に対する効果は、科学的実験で次々に明らかになっている。とくにこのところ注目されているのが乳酸菌の1種である「フェカリス菌」だ。



 2010年の「日本乳酸菌学会」にて発表された、北海道大学とニチニチ製薬の共同研究によると、「フェカリス菌」の可溶性成分を投与したマウスと、投与しなかったマウスでは、インフルエンザ感染後の生存率に有意な差が見られた。



 「フェカリス菌(FK-23)」を投与しなかったグループのマウスでは、インフルエンザウイルスの感染後14日時点で生存率が40%であったのに対し、ウイルスの感染前・感染後ともに投与していた別グループでは、生存率が100%だった。



 「感染前のみ」あるいは「感染後のみ」に投与した場合でも、まったく投与しなかったグループと比べるとマウスの生存率が高かった。このことから、「フェカリス菌(FK-23)」は、インフルエンザの「予防効果」および「治療効果」が期待できると言える。また、インフルエンザに感染する前から「フェカリス菌」を摂取すること、またインフルエンザに感染しても摂取し続けることの重要性が強く示唆されたという。



 胃腸を専門とする医学博士で、井の頭通りこう門科胃腸科の大堀晃裕院長によると、自身も7年前から「フェカリス菌」を摂取しつづけているが、風邪やインフルエンザにかかりにくくなった実感がある。



 2年前からは家族も摂取し、自分自身と同様にウイルス性の病気に対する抵抗力が上がったと感じている。そのため、手術後などで免疫力の維持・向上が必要な方や、大腸炎や下痢気味の方など腸に不安のある人には、積極的に「フェカリス菌」に関する情報提供をしているが、副作用はないため、安心して摂取してもらうことができるという。



 大堀院長がさらに注目しているのは、「フェカリス菌」が加熱殺菌されても免疫向上効果を損なうことがなく、むしろ加熱殺菌をすることで、その効果が生菌の3倍に高まるという研究報告もあることだ。



 さらに、生菌のままでは、どうしても1度に摂取できる乳酸菌の量には限界があり、多くても100億-400億個程度だが、加熱殺菌処理した「フェカリス菌」であれば、1度に約1000億個の摂取が可能だという。



 フェカリス菌は乳酸菌の中でもサイズが小さい部類に属し、例えば「ビフィズス菌」と比較すると、約5分の1の極めて微細なサイズだ。しかも、形が球状だ。



 トレンド総研によると、フェカリス菌は「特殊な形状により、1度にたくさんの摂取が可能となり、他の乳酸菌と比較しても、より免疫細胞を刺激しやすいと考えられている」、「しかも、加熱殺菌されても効果があるため、加工がしやすく、保存性・利便性も優れている」という。



 考えてみれば、人と乳酸菌などいわゆる「善玉菌」は太古から“共存共栄”をしてきた間柄だ。人は乳酸菌などに生活環境を提供し、乳酸菌などは腸内環境を整え、有害な細菌やウイルスに対抗するための免疫力を向上させてくれた。



 乳酸菌などについての研究が進む今、人は「フェカリス菌」という頼もしい味方の実力を、改めて知ることになったと言える。



 インフルエンザ対策として、うがい、手洗い、マスクが重要なのはもちろんだ。しかし、どんなに気をつけて、インフルエンザのウイルスが体に入ってくることを完全に阻止することはできない。ならばやはり、「フェカリス菌」などを活用して「内側」からの対策も心がけることが、賢い選択と言えそうだ。(編集担当:中山基夫)