未履修のあおりとアイスオーレ-20100323172853.jpg






いい人でいる方が楽だ、多分きっと。


そうやってだんだん、薄っぺらくて、浅くて、「他の誰でもいい誰か」になっていく。

「他の誰でもいい誰か」のはずなのに、運命だとか必然だとかそういう在りもしない言葉の響きに負けて、「他の誰でもない人」に成り代わってしまう。


誰もが人を救う強さや優しさを持ち合わせてなどいないし、本当は誰だって、一人でいる事の方が楽だと解っている。


至極真っ当な思考や、棘のない言葉や、常識やらマナーやら思いやりやら、そういう下らない、けれど大層なものを出来るだけたくさん身に付けて、マトモな人間でいる方が、誰かを傷つけたり、傷つけられなくて済む。

ワガママや、妬みや僻みや、抑えられない気持ちや、理性的じゃない身体や、そんな憎むべき汚らしい諸々から、いつも目をふせて、蓋を被せてしまう。それはまるで自分を見る様で、今にも自分の中から溢れ出しそうで、それを認めるのが怖いからだ。

「他の誰でもない自分」を直視するのが何よりも難しい事を、本当は何処かで気付いている。他人を傷つけたり、あるいは自分に傷ついたりするのは、いつだって自分の汚らしい部分だ。それと向き合うのは簡単じゃない。きっと、いい人の振りをする方が、何百倍も、楽だ。