先週末に行われたリーガ・エスパニョーラ、レアル・マドリードvsマジョルカを今更観戦。録画していたのですが、時間がなくて観れてませんでした。という訳で、以下雑感。
レアル・マドリードをちゃんと観るのは今季がこれで3試合目。開幕戦のデポルティボ戦、12月のバレンシア戦に続いての観戦となった訳ですが、そのどちらも2失点ずつやられてるせいかもしれませんが、今季のレアルは守備の組織が怪しい印象でした。今季はペレス政権復活に伴いカカやロナウド、ベンゼマといったアタッカーの獲得に加え、守備陣もアルビオル、アルベロア、ガライとそれなりのメンバーを獲得できていただけに…要は機能するかしないかは組織力の問題で、その組織力の向上は時間が解決するのかなと思っていたのですが…果たして、リーグも折り返し地点を過ぎた段階で、どの程度「チーム力」が上がっているのかを中心に観てみました。
さて、まずはスタメンから。
キーパーはお馴染み、聖イケル・カシージャス。最終ラインは右からアルベロア、アルビオル、ガライ、マルセロと4人中3人が新顔という布陣。中盤は、レギュラーのラサナ・ディアッラが出場停止により欠場、代わりにガゴが先発。シャビアロンソとダブルボランチで、中盤高い位置には怪我から復帰したカカと、戦力外から見事なカムバックを見せているファン・デル・ファールト。2トップには得点王争いにも加わるイグアインとロナウドが入りました。マジョルカはすみません、省略で…
今季のレアルはペジェグリーニ新監督の下、ショートパス主体のパスサッカーがメインになるかと思いきや、連携が合わず、また主力級のカカやロナウドがちょいちょい離脱をしたために、ペジェグリーニがビジャレアルでやっていた様なサッカーにはなかなか近付けていない感じ。今季ここまではイグアインの奮闘、ファンデルファールトの意外な復活により何とか勝ち点を重ねつつ、バルセロナに食らいついている印象です。
解説も言ってましたが、監督のやりたい形と、チームの現状に一番合う形は必ずしも一致しないものです。そこで監督の柔軟性が問われてくる。いわば「理想と現実」のギャップに巧く対応する必要がある訳ですね。レアル・マドリードの様な世界レベルの選手がわんさかいるクラブでは、そこで更に控えのベテラン選手や若手の扱い方なんかも難しくなってくる訳で、そういう意味ではここまでは、ペジェグリーニはよくマネジメントできている様に思えるんですが、どうなんでしょう。
そういう観点からすれば、カカが復帰し、ロナウドとの同時起用が久しぶりに実現した今節の戦いぶりは、今後のレアル・マドリードの一つの指標となる様に思う訳です。
さて、その試合内容ですが…
まず、ファンデルファールトが非常に良かった。ここまではカカの「穴埋め」的な役割を果たしてきただけに、カカとの共存について色々言われていたみたいですが…根本的に、カカとファンデルファールトはプレースタイルが異なるので、使い所さえはっきりすれば、十分に共存は可能な訳です。この試合、ファンデルファールトが中盤でいわゆる「繋ぎ」と「リズム作り」の役割に徹する事で、カカはサイドから内側へのドリブル突破で相手のアタッキングサードを攻略する事に集中できていました。ロナウド、イグアインがどちらかというとサイドに開いてボールを受けてタメを作る分、中への飛び出しの動きもファンデルファールトは担当してましたね。カカとロナウドを「仕掛け」に集中させられるという点で、ファンデルファールトはいい働きをしてました。
更なるメリットは、シャビアロンソが「散らし」に集中できる様になったという点。アロンソの持ち味である「ピッチを大きく斜めに使うパス」は、FWのサイドのタメと相まって、サイドバックを使ったワイドな攻撃を引き出します。
アロンソがこうした「広いアタックの引き出し役」を務め、ファンデルファールトがワンツーを交えてカカやロナウドの突破を導く「狭いアタック」の引き出し役を務める。レアルの攻撃は、こうして厚みを増している様に見えます。
これって結構、個人的には凄い事だと思っています。一見、個の力に頼った強引なサッカーに見えますが、このレベルの選手がそれぞれに持ち味を発揮する瞬間に、「スイッチ」が入る訳です。バルセロナのサッカーを評する際によく「攻撃のスイッチ」の話が出ますが、それとはまた非なるいわば「レアル式のスイッチ」も、相当強力に思えました。フォーメーションレスの「個を活かす戦術」が、連携面の高まりと共に発揮される時、レアル・マドリードのサッカー間違いなく相手にとっての脅威となる気がします。
この試合の先制点はイグアイン。シュートが素晴らしかったのは言うまでもないですが、そこにたどり着くまでの過程も素晴らしかったです。左サイド側でファンデルファールトとカカが中央のスペースを使って崩そうとしますが、チェックが入ったため一旦一列後ろのシャビアロンソへ。シャビアロンソはすかさず逆サイドに開き気味になったイグアインに展開。引き気味になったマジョルカのディフェンスラインのチェックが甘いと判断したイグアインは、中に切り込んで左足でシュート。シュートは美しい軌道を描いてゴール左隅に吸い込まれていきました。
この一連の流れの中で、レアル・マドリードはアタッキングサードを左から右に広く使って攻略できていました。それも、崩しのパターンを左右で変えつつ、相手ディフェンスに揺さぶりをかけてきた訳です。これができるチームって、多分あんまりないです。異なる崩しのコンセプトをピッチ内で、個人の能力に併せて発揮できるチームの攻撃は、守る方は難しいでしょう。
残念ながら、ファンデルファールトは20分そこらで負傷交代してしまうのですが、代わって出てきたグラネロは見事、後半に中央からの飛び出しで得点しちゃう訳で、この辺は控えのクオリティの高さを示してますね。
中盤の役割分担を考えると、シャビアロンソのパートナーを務める選手の「守備力」はかなり肝になる訳ですが、ラサナ・ディアッラならば問題ないでしょう。足元も不安はないし、意外にも展開力&得点力があります。っていうか、チェルシーにいた時からこれ位やれたならやってほしかった…。
この日ディアッラの代わりを務めたガゴは、「守備力」でやや劣って見えます。この日は無難にこなした印象ですが、もっと攻めに加わりたがっている様に見えました。もう一人のディアッラは、守備はいいけどそれ以外が…って感じですね。
「繋ぎ」の役目は、代わりに入ったグラネロや、あるいはグティでも十分務まりそうですね。今はあんまり出れてないみたいですし、この試合も途中出場でしたが、ファンデルファールトが怪我で少し離脱との事で、チャンスは十分あるでしょう。
同じく途中出場のベンゼマは、やや伸び悩み気味?ただサイドでボールを受けたがるプレースタイルは、今のサッカーをレアルが維持するならば相性は悪くないはず。ただイグアインとロナウドが共に結果を残しているだけに、しばらくは厳しいかもしれませんね。
あとはやはり、個の力にカギになるだけに、カカを欠いた時の崩しのパターンが減る事が懸念材料ですかね。マルセロを一列前で使う事でカカ不在時を凌いでいた様ですが…そうなると、サイドバックがやや手薄になりますね。リベリなんかはかなり噂になってますが…常にスタメンって訳にはいかないでしょうし、どうなんでしょうか。サイドバックに関してはあんまり噂聞かないけど、厚みを出すためにも誰かいた方がいいかもしれませんね。試合観た感じ、やっぱアルベロアはあんまりクロス巧くないですし…守備面はいいんですけどね。
こうなってくると、やっぱりあぶれるのはラウール、ファン・ニステルローイあたりですかね。ラウールはジョーカー的にはなるかもしれないけど…ファン・ニステルローイはちょっとスタイルに合わなそうですね。
うわ、ずいぶん長くなりました。しかし、「リーガ最強と言えばバルサ!」みたいな空気に断固反対な自分、レアルにはぜひ頑張ってほしいってな訳です。バレンシアやセビージャも今季はしぶとく食らいついてきているので…ぜひ、力を合わせてバルサを引きずり降ろして下さい。
以上、久々にサッカーの話でした。
