桜の季節は あっという間に過ぎて
街は 次の季節へ続く階段を
軽やかに 駆け上ってゆく。


回り始める毎日の中で
僕等はいつも 今を生きて

忘れ去られていく 昨日を
幾つも幾つも 積み重ねて

立ち止まって 振り返る頃には
もう 遙か遠くに感じられる


今 僕等を取り巻くのは
限り無くリアルで
鮮やかな現実だ

いつかは 見失う事も
忘れてしまう事にも 慣れて

日常に 埋もれてしまうだろうか


例えば
ビルの隙間を吹く風や
生い茂る若葉の青さや
重ねた会話や
すれ違ってしまった 顔や声も

いつかは 忘れてしまうだろうか。



歩き慣れた道に
次の季節を見つけたら

いつもより少し 大きな歩幅で
顔を上げながら 歩いてみる

置いてけぼりに ならない様に

忘れる事のない様に。