僕等が選んだのは、正確には終わりではなかったのかもしれないし、手繰り寄せたかったのは、もう少しマシな未来だったのかもしれないのだけれど

慣れないボートの漕ぎ方を、知る術など僕等にはなくて
向き合うお互いの仕草を、見様見真似てばかりいたら

ボートは、くるくるとただ、湖面を滑る様に廻り続けた

ぐらぐらと揺れる、そんな不安定な毎日さえ

僕等にとっては何よりも、確かな時間だった。



どうして人は、歳をとって

色んな事を、忘れていくのだろう


楽しい事も、そうでない事も

どれも全て、確かに其処に在ったのに。