川沿いには いつの間にか
真新しいマンションが建ち並んでいて

その数え切れない程の部屋の
一体どれ程が今
眠りに就いているのかを
ぼんやりと考えていた


世界は刻々と
朝へと近付いていく

目醒める事は疎か
眠れさえもしない僕は

確かに世界から
引き離されてしまっている




静かな川の流れに沿って
行ける所まで 歩いてみたって

辿り着くのは
いつも同じ場所だ

その先に 何が在るのかを
僕等はずっと前から 知っていたし

向こう岸に 広がる世界が

どんな物かも 分かっているのに


気が付くといつも
夜明けを待っている



浮かぶ月の形も
光る星々の並びも

動き出す列車の時刻も
目を覚ます猫の欠伸も


繰り返す 僕等の毎日も


本当は 同じではなくて

新しい朝を
僕等はいつも
待っているのかもしれない




街が動き出す


例えその時に

乗り遅れても
乗り過ごしても


途絶える事無く 世界は回る。