時間は思い出を薄めていく
そして
真新しい気持ちを積み上げていく


降り注ぐ雨水がいつか
小さな綻びに流れ込み
溢れ出す様に


それは風景に染み込んで
いつのまにか褪せてしまう


そんな風にして
失くすものが増えて
棄てるものを選んで

大人に成ると謂うなら




失くさずにいたい
棄てないでいたいけれど






やっぱり僕等は選べなかった


思い出が滲むのが怖くて
その色が褪せるのが嫌で

積み上げた幼い強がりを



あなたは笑い飛ばしてくれるだろうか





思い出を一つ失くす度に
未来を一つ拾えるのなら

確かにできた心の隙間は
誰かと埋める為に在るのなら



その空いた胸の奥の部屋で


じっくり話がしてみたい



あなたと話がしてみたい





その部屋に
飾る写真は何もない