改札を出るとすぐ
吹き込んできた
秋の乾いた風

いつのまにか
季節がまた一つ
過ぎていて

千切れた入道雲はもう
疎らに空を泳ぎ出していた




駅前に新しくできた
小さなペットショップに
ここ数日
必ず立ち寄っては
小さな黒い柴犬を
毎日じっと見ている


犬も飼いたいなぁ
なんて
思いを巡らす



気が付くと
小一時間が経過


名残惜しいけど
また明日だ





急かされながら
進んでいく事を
選んだワケじゃ
ないのだけれど

関わるもの
大事なものが
増えれば増える程

時間は細切れに
僕は足早に進んでいく



けれど
そんな毎日の
何でもないシーンが

僕の歩幅を変えてくれる

時計の針を
止めてくれる
必要なんてない

僕は進んでいく
同じじゃないリズムで





だから



もっと



僕の日常の
ありふれたもの
くだらないものが
増えていけばいい




あの雲に乗れるくらい



軽い足取りで


柔らかなリズムで





僕は家路につく。