昨年 12月24日


9時過ぎ


予約した総合病院に到着。


市内でも大きくて有名な総合病院だからか、朝9時過ぎだと


いうのにどの科も人で溢れています。



割とすぐに呼ばれ、診察室に入ると30歳前半位の男の先生と


ベテランな雰囲気漂う年配の看護師サンがいました。



生理周期など質問されたあと


先生「実は組織診で使うパンチが切れてしまって、今日検査が

   出来ないんです。次は1月16日都合は大丈夫ですか?」


(へっ????はてな5!はてな5!


今日の診察を受けるのに1か月前から予約をしたのに、パンチ切れ

でまた来月の検査になるってこと??


私「もし検査で問題なければすぐにでも妊娠したいんです!!

 検査が遅れれば妊娠も伸びちゃうし・・・検査するまでまた

 不安な日が続くのも辛いです・・・ううっ...


するとベテラン看護婦サンがどこかに電話した後


「今日お昼にパンチ届けてもらうからまた来れる?」 と


「はいっ!!」  よかった・・・・涙



その後3時間ほど病院の小さな休憩室で待ちました。。。。




12時前



産婦人科に戻ってまた名前を呼ばれると内診台に案内されました。



先生「今からお酢の様なものをかけるから、ヒヤッとするよ~」


先生「少し組織をとるけど、力抜いてれば大丈夫だよ~」


怖いッツガーン!!!!



プチンと引っ張られる様な感覚はあるけれど、そんなに痛くない。


それよりも悪くなってたらどうしよう・・・って不安のが強い



先生「う~~~ん溜め息


(何?私やっぱり悪いの??)


恐怖と緊張の中聞こえた、先生の難しそうにうなる声に


不安の糸が切れて泣けてきた。



組織を取る度に「これ2時ね」とか「4時ね」とか看護師サンに


言っているので、頸部を時計と見立てて採取した部分の位置


を伝えていたんだと思います。


5・6か所位取った気がする。



ガーゼを詰めてもらい、出血が止まったか30分後位にまた診る


ので、ベッドで横になるように言われました。


怖くて横になってもドキドキと涙が止まらない・・・・


看護師サンがヒーリング系の音楽を再生してくれました。



メソメソしている私の枕もとに看護師サンがしゃがんで、


「色々不安だったのよね・・・ でも大丈夫!!!

今は胃がんだって悪い部分を取っちゃえばもう何でもないし

悪い所は取ってもらって、数ヶ月後には妊娠だってできるん

だから!!!大丈夫!大丈夫!!!」


と優しく励ましてくれました。



ただ、ただ、マイナス思考絶好調の時だったので、


例えの「胃がん」って病名に (私もがん??)なく となり、


今の検査でもう悪いって分かったから手術の話をするんだ・・


私もsarryサンの様にⅢaでも自然治癒しないんだ・・・・


どろどろと負のスパイラルに飲み込まれていきました。



13時過ぎ



1時間ほど横になって、出血の状態を診るため内診台へ。


立つと生理の血がどろっと出た様な感覚がありました。



ガーゼを抜いて、止血剤を塗ったそうですが、強く押さえても


出血がなかなか止まらない様。



先生「ちょっと止血しても出血が止まらないから、

   電気で焼くね


焼く~~~??? 泣 泣悔し泣き悔し泣きキイテナイヨ~



 私「痛いですか?ちょ・・怖い・・。」


先生「大丈夫!痛みはないから!!焼く機械を準備する

   から、待合室で少し待っててね!ごめんね!!」


また着替えて待ちました。



この産婦人科は3人の医師でまわし、診察は午前のみ


午後からは赤チャンの1か月検診や、手術を行っています。



焼く」って言葉に真っ青になりながら待合室に座ると


産まれたばかりの赤チャンを大事そうに抱える新米パパ


達が何組かいました。


(幸せそう・・・・旦那サンにもこんな風に赤チャンを抱っこ


させてあげたいな・・・・)



一番の夢で、今の自分と離れすぎているその光景が眩しくて


幸せそうな家族の前では泣きたくないのに


ブワッっと溜まってくるものを必死でおさえました。




3回目の内診台


今度はさっきとは違い上半身が起き上った姿勢で


座る内診台に案内されました。



先生「じゃあね、何箇所か止血するのに焼くんだけど

    ジリジリって音と焼けた臭いがするけど大丈夫だからね」



先生「は~い、力抜いてね、力入れると痛いからね


  私「やっぱ痛いのえー!?いやだ~~~」 またまた泣く。ガクリ


看護師「大丈夫だよ~!!!痛くないよ~~~!!!」



この日はすごく神経質になっていたのか、先生達の言葉や行動


全てに敏感になって、悪い方にしか物事を考えられなかった・・・



怖いからどうしても力が入っちゃうけど、なんとか頑張ってると


ジリジリ焼かれる音が何度かして、鈍痛はありました。


先生「はい、おわったよ~~~」


台を下りると、髪の毛が焼けたような臭いがする・・・



先生「じゃあ、組織診の結果を待ちましょう。

    1月16日の・・・12時に予約入れとくね。」



14時


全ての科の会計窓口で支払いの順番を待つ。混んでる。


待っている間もクリスマスイブの今日、


(なんでこんな恐怖を味わわなきゃならないんだろう・・・ううっ...


なんか色々ありすぎてすごく悲しくて・・1人なのに泣けてきて


感染予防でしてたマスクがちょうど涙を吸い取ってくれました。



この病院に来ている人達も、みんな不安と戦っているのかな・・・・



病院を出て、


(今日はイブだし夕飯にチキンとかケーキ用意しなきゃ・・・)



夜は病院での事を旦那サンに冗談まじりで話したり、


不安を消す様になるべく楽しく過ごすようにしていました。



その次の日・・・


3回も内診台に上がって、緊張してかなり力が入ってたのか


下半身全体がバッキバキの筋肉痛になりました・・・がびょーん




昨年 11月下旬



総合病院に精密検査の予約をする為、電話をすると


年内で取れるのは1ヵ月後の12月24日だけとの事涙



産婦人科は混んでいるって聞いてたけど・・・・待つなぁ汗



妊娠しても大丈夫って言われても、次の検査まで


1ヵ月もあるし、健康には自信があったのに今回初めての


頸がん検査でひっかかったし・・・ 不安・・・・ためいき



子宮筋腫など他にも異常はないか不安になったので


以前から出産はココでしたい!と決めていたS産婦人科


診てもらうことにしました。



S産婦人科は予約不要の病院。 


総合病院とは雰囲気が違って、妊婦サン達ばかりの


ピンクの待合室で2時間弱待って名前を呼ばれました。



この病院も女医サンで、さばさばして感じの良い先生でした。


細胞診でⅢaだったことと、内診希望と伝えました。



頸がんについては検診センターの説明と同じ様に


・ Ⅲaは自然治癒する可能性の方が高い


・ Ⅲaは妊娠の制限はないからいつでも妊娠可能


・ 出産の時に悪い細胞が剥がれて無くなる事もある


などの説明をしてくれました。



その後は内診



何か器具やカメラが入ったようだったけど、女医サンという


安心感もあり、痛みなどは全くありませんでした。



着替えた後 先生の説明で新事実が・・・


筋腫等の異常はないけれど、


どうやら私の子宮は 「後屈」 タイプらしい???



ほとんどの女性は「前屈」で子宮はお腹の方に傾いているが


「後屈」は反対に背中に傾いているそう。


昔は子宮に精子が入りにくく妊娠しにくいと言われ手術で前屈


にすることもあったそうですが、今ではそんな心配はなく


人間右利き左利きがあるように異常ではないそう。



先生も、子宮が背中側なので、生理痛や陣痛が


腰にきやすいかもね!とのことケアベア ブルー



何か問題があるんじゃ!? とヒヤヒヤしましたががん




あとは 「びらん」 があるね~ と・・・汗


先生からは、「内診で出血するかも~」 位の説明で


したが、気になって調べました。



「びらん」とは、

子宮頸部の生理の血の出る管周辺の組織内の血管が

透けてオレンジ色に見える状態。

この部分は子宮頸がんが発生する場所でもあり、前癌状態

あるいはごく初期の浸潤癌の状態というのは非常にびらん

似ている為、頸がん状態びらんの区別が付かないそう。

頸がんではなく、ただのびらんの場合は病気ではないが、

粘液をつくる部分なので、びらんの面積が広いほど粘液が

多く「透明なおりものが多い」原因となるそう。

また、外的刺激により出血を起こしやすいこともある。

悪いことだけでなく、排卵の時に粘液量を増やすことにより

精子が子宮の中に入りやすくなるように環境を整える働きで

もあり、妊娠がうまく成立するように備わっているそう。




この時はあまり深く考えなかったけど、今思えば


私のは正常な「びらん」ではなく「前がん状態」っだったんだな。




それから1ヵ月後・・・・


ドキドキの精密検査が待っていましたうへー汗



病院は総合病院で、日曜日だからかとても静かでした。



おじいさんの息子サンや、祖母の姉妹も待ちあわせしてて


10人位でおじいさんの病室に向かいました。



4人部屋で、他の患者サンも高齢で寝たきりの様です。


おじいさんも、もう1年以上家で寝たきりの生活だったが


肺炎を起こし先日入院になったそうです。



大人数なので私は廊下から見ていました。




祖母達は苦しそうなおじいさんの手や体を一生懸命さすり


「辛いね~~ がんばるんだよ~がんばるんだよ~~」


とみんな泣きながら声をかけ



おじいさんも久々に会う姉妹達や息子のお見舞いが嬉しいと


呼吸も体も苦しいはずなのに


「う~ん う~~ん」


と涙を流して一生懸命に答えていました。




そんな光景を見ていられなくて、


隣にいた母に 「かわいそうだ・・・」 って言うと


私も涙が止まらなくなってしまい、落ち着こうとトイレに


駆け込みました。




泣きやんで病室に戻ると


「また来るからね~~がんばるんだよ~~」


とみんなが部屋から出てるところだったので



最後におじいさんのそばに行き、手をにぎって


「がんばってくださいね」  


と泣かない様に笑って言いました。




おじいさんとは久しぶりに会うので私が誰か分からず


動きがその瞬間止まっていました。



何十年も休まず農業で酷使した手


にぎった手は大きくて 優しいあったかい手で


でも 病気のせいか手の表面の皮膚がカラカラに乾いて


剥けてしまいそうだった


あの感覚は忘れられない




私の元気パワーを分けてあげられたらな・・・




帰り道 祖母と母が


「足がむくんでたね・・・ 高齢の肺炎は治り辛いから・・・

もうあんまり長くはないかもしれないね・・・」  と。




祖母にとっては 長い間離れて暮らしていたお兄さん


でも戦争中の厳しくて苦しい子供時代を一緒に過ごして


今の私達では考えられない苦労を一緒に乗り越えてきた


大切な人が亡くなるかもしれない悲しみを考えると・・・・・





どうか どうか せめて最期の時は


苦しまずに幸せな最期を迎えられますように・・・・・