太陽はいつだって降り注いでいた。
誰にも注いでって言われてないけど、
降り注いでいた。
太陽はいつも地球を見ていた。
地球では沢山の人間がいて、
沢山の出来事が起こっているのを、
ただ、見ていた。
ある日、1人の青年が太陽に話しかけて来た。
「太陽さん、いつも僕の事を照らしてくれてありがとう!」
太陽はびっくりした。
いつもここにいる事が当たり前で、
誰からも気づかれていないと思っていたから、
本当にびっくりした。
そして、気づかれていたかはわからないけど、少しだけ青年に向けて、
光を強くして反応してみた。
それから毎日青年は太陽に話しかけて来た。
「今日も最高に良い天気をありがとう!
おかげで僕も元気になるよ!」
太陽は青年に話しかけてもらえる事が嬉しかった。
時々雲で地上が見えなくなると、
青年にも会えなかった。
太陽は早く雲がなくなって、
また青年に会いたいなぁ。
と思ったりした。
雲がなくなり、
また青年に会えた。
青年も太陽を見て喜んでいた。
「また会えたね!今日もありがとう!!」
太陽もまた、少しだけ青年に向けて、光を強くした。
そんな日が毎日続いていた。
ある日、青年は綺麗な女の人と一緒にいた。
太陽は少し寂しかった。
だけど、青年の顔がとっても幸せそうなのを見て、
嬉しい気持ちにもなった。
太陽は恋をしていたのだ。
人間の青年に、特別な感情を抱いている事に気がついた。
太陽は自分の恋に気がついたけど、
自分ではどうする事も出来なかった。
自分に出来る事は、
ただ、青年を見守る事だけだった。
そして、地球に向かって、光を注ぎ続ける事だけだった。
太陽はその時初めて心から願いが湧いた。
「私も人間になって、恋をしてみたい。
人間に触れて、愛し、愛されてみたい。私もあんな風に、話したり、動いたりしてみたい。あの青年に自分の想いを言葉で伝えてみたい。そして、あの青年に人間として、愛されてみたい。」
太陽は、それが叶ったらどんなに幸せか、
心の中でイメージして味わいながら、
時を過ごした。
青年は相変わらず太陽に毎日話しかけて来た。
太陽は幸せだった。
時は過ぎ、青年は老人になっていた。
家族が増え、あの、綺麗な女の人と結婚して、
子ども、孫もいた。
相変わらず、毎日太陽に話しかけて来てくれた。
太陽は毎日幸せだった。
そして、ある日、老人になった青年は、
人間としての寿命を全うして、
魂に還った。
その時、魂になった青年は、
太陽の一途な深い愛情を知った。
そして、太陽の事が大好きになった。
魂になった青年は、その時こう願った。
「今度産まれて来た時は、
人間に産まれて来た太陽を見つけよう。
心のコンパスが教えてくれる事にして、
僕は君の事を必ず探すよ。君の優しさに触れたら、
僕は君を愛する事を思い出す。」
そして、青年だった魂は、また再び地球に戻っていった。
そして太陽も、自分の一部を切り取り、
地球に魂として向かった。
太陽の願いは叶った。
青年と、太陽だった女性は無事に出会い、結ばれ、
愛し愛され、仲睦まじく、生涯を全うしたそうな。
おしまい♡