何年か前、大人の塗り絵なるものが流行って
わたしもうきうきしながら
大人の塗り絵と、
36色の色鉛筆を買った。
開けてみれば、結構
絵柄は細かくて、
集中力と時間を要するので
最初の3ページくらいで
大人の塗り絵は放り出してしまった。
そして今、わたしの
ふたりの子どもたちが
その 36色の色鉛筆で塗り絵をしている。
たとえば、草花を塗るのにも
緑だけで
4色も5色もあったなら、
いろんな種類を塗り分けることができるし
赤が何種類もあれば
りんごやイチゴ、果物の色を
頭に思い描いたのと近い色で
塗ることができる。
色の種類が多ければ、
多いほど
選択肢は広がるから
より、自分のイメージに
近い色で
表現することができる
それはとても、心地いい体験だろうと思う。
それとは反対に
感情を、表現する言葉を
まだ
あまり多く持たない。
4歳の息子は
きょうだい喧嘩をしたり、
自分の言いたいことを上手く言えなかったり
思う通りにいかない
嫌なことがあると
「めんどくさい!」って、叫ぶ。
…それ、めんどくさいのとは違うよね?
…本当は、悔しいんだよね?
そう問いかけてみても
「ちがう、めんどくさいの!!」
の一点張りで
まるで、自分の中の
感情を
正確に、描写するのが
丁寧に、名前のラベルを貼るのが
怖いみたいに。
感情を表す言葉が
多ければ多いほど
今の感情に、言葉が
当てはまれば
当てはまるほど
正確に、表現できるほど
自分の中での
「頭」と「心」の違和感
それから、
「自分」と「他者」のすれ違いは
和らいでゆくと思うから。
「言葉」が
あなたの力になってくれると思うから。
いつの日になるかはわからないけれど
自分の感情を
なるべく正確に、
言い表せるだけの言葉は
身につけられたなら
そして、大切な人の言葉も
同じくらい、読み取れたなら
いいなと思う。
愛する息子へ。
* * * * * *
けれど、それは
大人でも決して
易しくはないこと。
お越しくださり
ありがとうございました。
明日もあなたが
笑顔でありますように。
山本 麻莉






