私は感情をいつも

水のイメージで捉えているから

 

想像するたび、それは

水がめだったり

湧き水だったり

湖だったり

ダムだったり

 

大きさを変えるのだけれど

 

だいたいいつでも

 

その水面に映る変化をぼんやり眺めていたり

底の方にある黒いものをすくい上げたり

じっと深淵を覗き込んだりしている

 

 

さて、私が言われて大嫌いな言葉に

「そんなの気にしたってしょうがないじゃん」

というものがある。

 

 

言うことは正しい

けれど

愚かな。

 

 

私の意思で

気にしたくて

気にしているわけではなく

 

気になってしまった時点で

もうそれは

存在してしまっている

 

あとは始めから存在しなかったように

気にならなかったかのように

濾過するしかない

 

 

私の体の中に

喉のあたりに

浄水フィルターのようなものが付いていて

 

気になってしまったこと

もやもやすること

呑みこみたくないけれど

この場は流さなくてはいけないこと

 

濾過して

土砂や不純物を取り除き

さらに下の水がめへと移してゆく

 

 

溢れたりしない

逆流したりしない

滅多には

 

けれど時々フィルターが目詰まりするから

丁寧に清めて

磨いて

また元に収める

 

 

呑みこむ / 呑みこみたくない

 

気にしないこともできるけれど

 

それだったら始めから

清い水を呑んでいたい

 

 

私自身が、身を置く場所を変えることで

 

私自身の、世界の受け取り方を変えることで