明治時代になるまで、

 

日本の時計は

針が動かなくて

 

その代わりに

文字盤の方が回ることで

時刻を指していたそうです。

 

 

自分が動いて

 

過去 → 今 → 未来 へ

 

進んでいくのではなくて。

 

 

 

未来は 前から 流れてくる。

 

過去は 後ろへ 流れていく。

 

 

 

流れ去ったものたちは

どこへ消えていくんだろう?

 

 


 

 

わたしにとっての過去が

 

”起こった事実” そのものなら、

変えることはできない。

 

 

けれど

 

過去から繰り返し、あらわれて

 

心を揺さぶっては、

また消えていくのは

 

”事実” を取り巻く

 

記憶、感情、後悔。

 

 

 

それらはきっと、もう

わたしの 心の中にしか存在しないもの。

 

 

だから、雲のように

形を変えられるんだと思う。

 

”事実” に対する

 

”解釈” を、変えることで。

 

 

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時間を経て、

 

大切なものの順序も変わって

 

物の見方も少しだけ、増えて

 

 

過去は、ゆるやかに 変わっていく。

 

 

 

過去を取り巻く

 

記憶、感情、あるいは後悔。

 

わたしの中にある

”過去”は、ゆるやかに 変わってゆける。

 

 

 

 

少しずつ、感情を吐き出したり

誰かに聴いてもらったり

 

「あの時、自分に何が起きていたか」を

 もう一度

 

 その時とは違う「見方」で捉え直すことで

 

 

今のわたしにとって

心地よいものに

 

今のわたしを

傷つけないものに

 

 

少しずつ、変えていくことができると思うから。

 

 

 

 

”過去” と ”対話” する。

 

 

その先で、

 

より良い ”関係”を

 

築いてゆけるように。

 

 

* * * * * * * * * 

 

 

ナラティブ・セラピーという

心理療法があります。

 

その人が語る、「物語」を通して

 

回復の妨げになっている

思い込みを、丁寧に紐解いて

手放すことで

 

その人にとって、より生きやすい

「新しい物語」を紡いでいく、というもの。

 

 

 

"事実というものは存在しない。

 存在するのは解釈だけである。"  ニーチェ

 

 

 

わたしの場合は、無地のノートに

たくさん、たくさん

真っ黒な感情を書き出すことで

 

ふっ と

「もういいかな」と思えたり

自分を縛っていたのが未練じゃなくて

別の感情だったと気づいたり

 

ひとつずつ手放して

だんだん軽くなってきました。

 

 

過ぎ去った出来事にも

新しい"意味"を

自分で与えることができたなら

 

そのたびに、物語は

新しく

書き変わっていくのだと思います。

 

 

 

 

お越しくださり、

ありがとうございました。

 

明日もあなたが

笑顔でありますように。

 

 

山本 麻莉